◇ 価格転嫁できない企業も多い = 総務省の発表によると、11月の消費者物価は生鮮食品を除いた総合指数で前年比0.5%の上昇だった。この上昇幅は1年9か月ぶりの大きさ。ガソリンの小売価格が27.1%、電気料金が10.7%上昇したほか、生鮮食品を除いた食料も1.1%上昇した。ただ携帯電話の通信料が53.6%も下がっており、この影響を取り除くと物価の上昇率は2%をやや超える。
日銀の集計によると、11月の企業物価は前年比9.0%の上昇だった。この上昇率は、石油ショック後の1980年12月以来41年ぶりの大きさ。企業物価というのは、企業の間で取引されるモノの価格。ことし3月から9か月連続して上昇しており、この数字からみる限り企業段階ではインフレ状態に入ったと言えるだろう。
消費者物価も企業物価も、上昇した主たる原因は、輸入品の価格高騰。エネルギーの国際価格が急騰したことと円安の進行で、輸入品の価格が上昇した。11月の輸入物価は前年比44.3%も上昇している。たとえば石油・石炭・天然ガスは128.4%、木材・木製品・林産物は81,4%の上昇だった。したがって企業段階を襲った価格高騰は、輸入インフレと断定できる。性格的には、あの狂乱物価を惹き起こした石油ショックと同じだ。
当時と違うのは、価格高騰の程度が小さいこと。それに小売り段階への波及が遅れていることだろう。11月の数字をみても、企業物価は9%も上昇しているのに、消費者物価は0.5%しか上昇していない。これは最終段階での消費需要が弱いため。小売り業は値上げすると売り上げが落ちる心配があるので、なかなか価格転嫁に踏み切れずにいるわけだ。ただし生活に絶対必要なガソリン、電気代、食料品の一部などは、転嫁に成功している。
≪29日の日経平均 = 下げ -162.28円≫
≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
日銀の集計によると、11月の企業物価は前年比9.0%の上昇だった。この上昇率は、石油ショック後の1980年12月以来41年ぶりの大きさ。企業物価というのは、企業の間で取引されるモノの価格。ことし3月から9か月連続して上昇しており、この数字からみる限り企業段階ではインフレ状態に入ったと言えるだろう。
消費者物価も企業物価も、上昇した主たる原因は、輸入品の価格高騰。エネルギーの国際価格が急騰したことと円安の進行で、輸入品の価格が上昇した。11月の輸入物価は前年比44.3%も上昇している。たとえば石油・石炭・天然ガスは128.4%、木材・木製品・林産物は81,4%の上昇だった。したがって企業段階を襲った価格高騰は、輸入インフレと断定できる。性格的には、あの狂乱物価を惹き起こした石油ショックと同じだ。
当時と違うのは、価格高騰の程度が小さいこと。それに小売り段階への波及が遅れていることだろう。11月の数字をみても、企業物価は9%も上昇しているのに、消費者物価は0.5%しか上昇していない。これは最終段階での消費需要が弱いため。小売り業は値上げすると売り上げが落ちる心配があるので、なかなか価格転嫁に踏み切れずにいるわけだ。ただし生活に絶対必要なガソリン、電気代、食料品の一部などは、転嫁に成功している。
≪29日の日経平均 = 下げ -162.28円≫
≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ≫