経済なんでも研究会

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またまた100ドルへ : 原油価格 (下)

2022-10-14 07:37:26 | エネルギー
◇ 日本の補助金政策は破綻する = 原油価格が上がれば、LNG(液化天然ガス)や石炭などの価格も上昇する。エネルギーの大半を輸入に頼る日本にとっては、それだけ負担が増大するわけだ。貿易統計によると、最近の日本は鉱物性燃料の輸入に年間20兆円を支払っている。これらの価格が1割上がると、支出は約2兆円増大してしまう。日本人の購買力がそれだけ海外に流出するから、景気も足を引っ張られる。

政府はガソリンや灯油の高騰を抑えるため、石油元売り会社に補助金を支給している。ことし1月から実施しているが、年末までに補助金の総額は3兆円を超える見込み。原油価格が上昇しているから、来年も続けざるをえないだろう。さらに岸田首相は所信表明演説で「電気料金の負担増を緩和する新制度を作る」と約束した。その詳細はまだ不明だが、これも電力会社に補助金を支給する模様。その額はやはり兆円単位のものになるだろう。

冬の電力不足に対処するため、政府は企業や家庭が節電するとポイントを付与する制度を導入した。これも一種の補助金政策である。また効率の悪い旧式な火力発電所を稼働させるため、電力会社に補助金を出すことも検討中。そして小麦にも補助金。このように政府の対策は、補助金一辺倒だ。だが財源をどうするのか。何年も続けることは不可能だろう。

原油高騰の影響を少しでも軽減するには、輸入依存度を下げること。それには原発の稼働を増やし、再生可能エネルギーを拡張するしかない。しかし政府は「年末までに方針を決める」という超のんびり・ムード。とにかく遅すぎる。しかも原発については新型原子炉の開発についても議論しているというから、話はますます混乱してしまう。「岸田さんは決める能力がない」--これが支持率が低下する最大の原因である。

        ≪13日の日経平均 = 下げ -159.41円≫

        ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ≫  

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