経済なんでも研究会

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どう考えても 愚策 : 為替介入 (下)

2022-10-27 07:30:05 | 円相場
◇ 弱い国の通貨は弱い = 財務省が発表した4-9月期の貿易統計によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は11兆円の赤字だった。これは輸入が前年比44.5%も伸びたため。特に原油・LNG(液化天然ガス)は、前年の2.2倍に増大した。価格の高騰に円安の効果が加わったことによる。この11兆円の大半はドルで支払われるから、それだけでもドル高・円安の大きな圧力になるわけだ。

この巨額の貿易赤字は、エネルギーや食料の輸入依存度が高すぎるという日本の弱点を浮き彫りにした。また円安にもかかわらず、日本の輸出が大幅には伸びないことも実証している。半年で11兆円という赤字は、それだけ国内の購買力が海外に流出したことを意味する。輸出がそれほど伸びないことは、競争力の低下を意味する。要するに、日本は経済的に弱い国。弱い国の通貨は弱いはず。投機筋はこう考えて、円を売ってくる。

日銀のゼロ金利政策は日米間の金利差を拡大し、円売り・ドル買いのきっかけとなった。さらに金融の超緩和政策は、本来ならば淘汰されるはずのゾンビ企業を生き残らせた。このため人や資源が非効率な部門に滞留し、経済全体の競争力を低下させている。そのうえ政府も明確な成長戦略を示さないから、企業も個人も守りに入ってしまう。

そんな状況下で、小手先の為替介入をやっても意味がない。政府・日銀がやるべきことは2つ。まず日銀のゼロ金利政策についての徹底検証。プラス面とマイナス面の大きさを比較すること。もう1つは、政府が明確な成長戦略を提示すること。それによって将来展望が見えてくれば、投資も消費も上向くだろう。そのとき円相場は、ひとりでに上昇する。

        ≪26日の日経平均 = 上げ +181.56円≫

        ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

Zenback

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