経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

今週のポイント

2019-03-18 07:54:23 | 株価
◇ 雨にも負けず、戻す株価 = あまり良くない環境のなかで、株価が戻している。アメリカではメキシコ国境のカベ建設を巡って、トランプ大統領と議会の関係が最悪の状態に。ボーイング機の墜落事故。それに雇用者の増加数が激減した。またイギリスのEU離脱も最終局面で、まだ目鼻がつかない。中国は目標成長率を引き下げ、日本の景気動向指数も3か月連続で低下した。にもかかわらず、株価は上昇している。

ダウ平均は先週399ドルの値上がり。日経平均も425円の上昇だった。これでダウ平均は年初来2522ドルを戻し、日経平均も1436円の値上がりとなっている。昨年10-12月期の急落に対する反発とみている人も多いようだが、それだけでは説明がつかない。最近の市場では、過去の経験則が薄れつつあるように思われる。

あと10日で、イギリスはEU離脱の予定日を迎える。どうやら離脱は延期される公算だが、問題の本質は何も解決されない。アメリカでは大統領と議会の対立が激化し、政府の債務上限引き上げが難しくなりそう。日本では年度末を控えて、金融機関などの保有株売りが警戒されている。そんな問題に直面しながら、株価は今週も戻し基調を続けて行くのだろうか。

今週は18日に、2月の貿易統計。19日に、2月の訪日外国人客数。22日に、2月の消費者物価。アメリカでは18日に、3月のNAHB住宅市場指数。21日に、2月のカンファレンス・ボード景気先行指数。22日に、2月の中古住宅販売戸数が発表される。なお21日に統一地方選挙スタート。

       ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

無茶苦茶な 道交法改正案

2019-03-16 08:02:06 | 自動車
◇ 自動運転に“ながら運転”を認める = 自動運転車なら「運転中にスマホでメールのやりとりをしても構わない」という内容の道路交通法改正案が、先週の閣議で決定された。飲酒や睡眠はダメだが、テレビで野球中継を見るのはOKだという。なんという無責任な法律を作るのだろう。安全性を度外視した政府の姿勢には、全く腹が立って仕方がない。

この“ながら運転”許可は「緊急時に手動運転に代われること」が前提だという。しかし“ながら運転”中に、緊急時をいち早く察知することは困難ではないのか。メールに熱中している運転者が、緊急事態を感知することはまず不可能だろう。だから、この法律は内容的に矛盾していると言わざるをえない。

事故の責任は、いったい誰がとるのか。事故を起こしたとき、運転者はメールを打っていた。この行為は合法なので、無罪と認定されるのか。交通事故は一瞬の判断の遅れが、命取りとなる。その一瞬の遅れを生むことになる“ながら運転”の解禁。どう考えても、法律の意図が呑み込めない。

自動運転が最も進んでいるアメリカでも、試験走行中の事故の多さが大問題になっている。ニューヨーク市では、いまだに公道での試験走行を認めていないそうだ。ましてや、道路が狭い日本で。こんな悪法を作った国土交通省のお役人もさることながら、閣議で何も議論しなかった大臣たちの知能程度が疑われる。

       ≪15日の日経平均 = 上げ +163.83円≫

       【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】  

はっきり! 半導体の需要急減

2019-03-15 08:19:51 | 半導体
◇ 世界経済のマイナス要因に = 半導体の需要が急速に落ち込んでいる。主要メーカーで構成するWSTS(世界半導体市場統計)によると、18年の世界需要は4779億ドル(52兆円)で前年比16%の増加だった。17年の22%増には及ばなかったが、まだ水準は高い。ところが、ことし1月になると需要は前年比5.7%減に急落した。半導体の需要は大きく波打つ傾向があり、業界では昨年秋ごろから下降局面に入ったという見方が強い。

半導体の需要はスマホ用が4割、データ・センターのサーバー用と自動車・パソコン用が3割ずつを占めている。このうちサーバー用はアップルやグーグルなどの大手が過剰投資、その反動が表れた。またスマホは飽和状態に近づいたうえ、高価格製品の売れ行きが伸び悩み。特に中国市場での売れ行きが落ち込んだ。

米調査会社IDCの集計によると、18年の中国のスマホ販売台数は3億9770万台。前年比では10.5%も減少した。ことしの見通しも明るくはない。半導体は需要が減ると、すぐに価格が下がってしまう。たとえば最近のフラッシュ・メモリー価格は、1年前より4割以上も下落している。このため主要メーカーの業績も悪化した。

そんななかで注目されるのは、中国ファーウェイ社の健闘。中国市場で昨年、アップルが20%も販売台数を減らしたのに対して、ファーウェイは15.5%伸ばしている。アップルが高価格製品を投入したのに、ファーウェイは低価格品で勝負したことも大きな理由の一つ。だが米中貿易戦争が、中国人の“愛国心”をかき立てたことも影響したに違いない。モノがコンピューターの素材だけに、はっきりと割り切れる。

       ≪14日の日経平均 = 下げ -3.22円≫

       ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ≫     

さっぱり! イギリスのEU離脱

2019-03-14 05:39:06 | イギリス
◇ 延期か国民投票か = とうとうイギリスのEU離脱日まで、あと2週間になってしまった。ところが相変わらず、秩序ある離脱に必要な協定が策定できない。メイ首相がEU 側と合意した協定案を、イギリス議会がすべて否決してしまうからだ。もし今月29日までに協定を結べないと、イギリスは何の取り決めもないままに離脱せざるをえない。そうなればイギリスや大陸側の諸国はもちろん、全世界が未曽有の混乱に巻き込まれる。

イギリスは16年6月の国民投票で、EUから離脱することを決めた。だが離脱の具体的な方法までは考えていなかったことが、問題の発端に。たとえばイギリス領の北アイルランドが、独立国のアイルランドと国境を接している。アイルランドはEU加盟国なので、イギリスがEUから離脱すれば、この国境に税関を設置して人やモノの移動をチェックしなければならない。

しかし、それは歴史的にも現実的にも全く不可能。このことを国民投票のときには、誰も気づかなかった。だが税関を置けなければ、EUを離脱できない。そういう意味で、イギリスは脱出方法がない落とし穴に落ち込んでしまったと言えるだろう。だからメイ首相がいろいろ修正案を出しても、議会の賛成を得られない。

せっぱ詰まったイギリス政府は、いま離脱日を2か月ほど延期する方向で動いているようだ。しかし延期したところで、問題の本質は何も変わらない。かつて7つの海を制し、世界をリードした大英帝国。いまEU離脱という歴史的な命題を抱えて、もがき苦しんでいるようにみえる。再び国民投票に訴えれば、離脱反対派が勝つ公算が大きい。日本から眺めていると、最近のイギリスはさっぱり判らない国になった。

       ≪13日の日経平均 = 下げ -213.45円≫

       ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

やっぱり! 日本の景気動向指数

2019-03-13 08:04:38 | 景気
◇ すでに景気後退入りの公算 = 内閣府が発表した1月の景気動向指数(15年=100)で、景気の現状を表す一致指数が3か月連続のマイナスとなった。このため内閣府は、景気の基調判断をこれまでの「足踏み」から「下方への局面変化」に改めている。平たく言えば、この表現は「もしかすると、景気はすでに後退局面に入っているかもしれない」という意味。にもかかわらず一般の受け取り方は「さあ、大変」ではなく、「やっぱり、そうか」だった。

政府は2月の月例経済報告で「緩やかな景気の回復が続いている」と、楽観的な見方を示したばかり。アベノミックスと一緒に始まった今回の景気上昇が、戦後最長になったようだとも宣伝した。ところが仮に景気が昨年末から後退していたとなれば、戦後最長の記録は達成できないことになる。

そこで新聞やテレビは「新記録の景気回復か、それとも後退入りか」と、面白おかしく騒ぎ立てている。だが「どちらでも、そんなに変わりはない」というのが、一般庶民の正直な感覚だろう。もともと戦後最長の景気回復と言われても、好況感に乏しかったからである。しかし景気の後退がどんどん進行すると、そんなことを言ってもいられない。

1か月後に発表される2月の景気動向指数がマイナスになれば、日本経済の後退局面入りはほぼ確定する。輸出や生産の動向から判断すると、残念ながらその公算は大きい。そんななかで政府がいつまでも“戦後最長”にこだわっていると、また手遅れになる恐れがある。そうなって、国民に「やっぱり」と言わせないでもらいたい。

       ≪12日の日経平均 = 上げ +378.60円≫

       ≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

Zenback

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