経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

死者が語る コロナ肺炎の危険度 (20)

2020-07-25 07:14:45 | なし
◇ パンデミックは衰えず = 日本時間24日午前0時の集計。新型コロナ・ウイルスの世界的大流行には、全く終息の兆しがみられない。世界の感染者は1500万人を超え、死亡者は60万人に達した。特に厳しいのはアメリカ、ブラジル、そしてインドの3か国。アメリカの感染者は397万人、死亡者はこの1週間で5774人増え14万3193人となった。ブラジルでは222万人が感染、死亡者は7405人増えて8万2771人に。またインドの感染者は123万人、死亡者は4946人増えて2万9861人となっている。

一方、ヨーロッパ諸国の状態は落ち着いている。死亡者数でみると、イギリスが4万人台、イタリアとフランスが3万人台、スペインが2万人台。イギリスでは448人増加したが、あとは2ケタの増加にとどまっている。このためインドの死亡者数がスペインを上回り、世界で6番目の多さになった。増加の勢いからみると、インドが近くフランスやイタリアを抜く可能性が高そうだ。

日本の周辺に目を転じると、中国の死亡者数は4634人で、この人数は5月22日以来ずっと変わっていない。感染者は増えているものの、死亡者は出ていないわけだ。また同じ期間に、韓国では死亡者が33人増えて297人に。日本では193人増えて1005人となっている。欧米に比べれば人数は少ないが、日本の死亡者数が1000人を超えたことには世界の注目が集まっている。

その日本では、コロナの第2波が発生した可能性が高い。23日には、東京都の感染者数が過去最高の366人。愛知・埼玉・福岡県などでも第1波のときを上回る感染者数を記録した。全国の感染者数は981人に達している。こうした状況にもかかわらず、GO TO トラベル・キャンペーンを強行した政府の責任が問われることになりそうだ。     

トランプ流 “踏み絵”大作戦

2020-07-23 07:41:47 | トランプ
◇ 中国IT企業から手を引け = アメリカ政府は先週14日、国防権限法の規定に基づき「中国の大手IT社の製品を使用する企業が、アメリカ政府と取り引きすることを禁止する」と発表した。対象となる中国のIT企業は、ファーウェイやZTEなどの5社。これはアメリカ政府の情報が中国側に漏れるのを防ぐためで、8月13日から施行する方針だ。現在アメリカ政府と取り引きのある日本企業は約800社。アメリカ政府を選ぶか、中国企業を選ぶか。最終的に選択を迫られることになった。

国防権限法は18年に成立。まず中国5社の製品を、アメリカ政府の調達から除外した。次いで20年8月には、世界中の企業にも規定を適用すると決めている。しかしアメリカ国内でも反対論が強く、政府が強行するかどうか注目されていた。個々の企業によって、中国IT製品との関係はまちまちだろう。たとえば簡単な部品を取り換えれば済む企業は、これまでに対処したかもしれない。

しかし工場の心臓部分に、中国製品を使っている企業もある。こんな企業は8月13日までに、製品を入れ替えることなど不可能だろう。したがって個々の企業によって、トランプ大統領の“踏み絵”の影響度は違ってくる。なかには経営戦略を抜本的に見直さざるをえない企業もあるはずだ。ところが不思議なことに、そうした企業の経営判断に関するニュースは報道されていない。

この問題に関しては、日本政府も経団連や業界団体も全く口を閉ざしている。また取り引き禁止令の細部も伝わってこない。たとえば企業グループの子会社が中国製品を使っている場合、親会社も取り引き禁止の対象になるのか。さらにスマホやパソコンのように、ファーウェイ部品を使った製品を売ってしまった場合など。肝心な点が不明なので、動きようがないのかもしれない。禁止令の施行まで、あと3週間。政府や経済界は、この問題について押し黙っている。その静けさが、むしろ不気味である。

       ≪22日の日経平均 = 下げ -132.61円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝0敗】     

底入れはしたけれど : 6月の輸出

2020-07-22 08:22:47 | 貿易
◇ V字型の回復は望めない = 財務省は20日、6月の貿易統計を発表した。それによると、輸出は4兆8600億円で前年比26.2%の減少。5月の28.3%減少よりは、やや改善した。一方、輸入は5兆1300億円で14.4%の減少だった。その結果、貿易収支は2700億円の赤字となっている。各国の経済再生で輸出の減少率はやや縮小し、底入れはしたものの、今後の回復力はきわめて弱々しい。

輸出を地域別にみると、中国向けは1兆2400億円で前年比0.2%の減少。3月の8.7%減少から、着実な改善ぶりを示している。EU向けは7200億円で28.4%の減少。またアメリカ向けは7200億円で46.6%の減少だった。このアメリカ向けも5月の50.6%減少よりは、やや改善している。ASEAN向けも6570億円で、35.1%の減少と振るわない。

輸出を商品別にみると、自動車は5100億円で49.9%の減少。一般機械は1兆円で24.5%の減少、電気機械も9000億円で18.5%の減少だった。ずっと見渡しても、前年に比べて増加したのは医薬品、非鉄金属、船舶ぐらいなもの。世界的なコロナ不況の影響は、まだまだ日本の輸出に暗い影を落としている。

今後の見通しは、各国の経済再生しだいということになるだろう。その観点からすると、中国向けの輸出は来月にも前年比プラスになりそうだ。またEU向けも、減少率が縮小する可能性は大きい。しかし最大の輸出先であるアメリカ向けの回復には、かなりの時間がかかるだろう。したがって今後の輸出は、全体として非常にゆっくりした回復になると予想される。

       ≪21日の日経平均 = 上げ +166.74円≫

       ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

ズサンきわまる GO TO トラベル

2020-07-21 08:11:00 | なし
◇ 抜け穴だらけのキャンペーンが始まった = 安倍内閣が鳴り物入りで打ち出したGO TO トラベル キャンペーンが、あす22日スタートする。土壇場になって東京都からの発着が除外されるなど、ドタバタの発車だった。このため実際に旅行者がどれだけ増えるか、コロナの勢いがどうなるかも全く不明。賛否も大きく分かれているが、国民が共通して感じたのは「なんとズサンな政策なのか」という点だろう。

たとえば地方の人が東京見物をしたいと思えば、浦安とか所沢のホテルに泊まればいい。また行き先を金沢にしておけば、夜まで東京で遊んで新幹線に乗ればいいことになる。さらに東京都民は外に出られないが、都内の豪華ホテルに泊まったら補助金を貰えるのだろうか。こんな抜け穴を探せば、いくらでも見つけられそうだ。

赤羽国土交通相は「若者や高齢者のグループ旅行は遠慮してほしい」と強調した。しかし若者や高齢者とは何歳の人かは、説明していない。またグループとは何人以上なのかも判らない。これまたズサンな発言である。もっとひどいのは、東京居住者を除外したことで発生したキャンセル料を、政府は負担しませんという方針。政府の政策変更で生じた損害なので、これは政府が払うべきだろう。裁判にでもなったら、国は勝てるのだろうか。

GO TO トラベルは、来年春まで続けることになっている。しかし仮にコロナの感染が予想以上に拡大すれば、中止せざるをえなくなるに違いない。だからコロナの状態がどうなれば中止するというとう条件を、初めから明示しておくべきだろう。そうでないとまた混乱が生じ、損失補てんなどの問題が起きるかもしれない。とにかく政府のメンツだけで強行し、民間に損失が出ても知りませんという姿勢はいただけない。

       ≪20日の日経平均 = 上げ +21.06円≫

       ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

今週のポイント

2020-07-20 08:27:47 | 株価
◇ 今週の株価は動けない? = コロナ情勢は厳しさを増しているのに、日米の株価は先週そろって上昇した。ダウ平均は597ドル、日経平均は406円の値上がりだった。あり余る投資資金が自動車や機械などの出遅れ株に向かって、全体を押し上げた。それでもダウ平均は2万7000ドル、日経平均は2万3000円のカベを乗り越えることは出来なかった。カベの上には、コロナが居座っているからである。

アメリカでは先週から、企業の4-6月期決算発表が始まった。事前の予想では主要500社の1株当たり利益は、前年比で44%減少する。さらに各企業が7月以降の業績を、どう見通しているのか。今週のニューヨーク市場は、その結果待ち。加えてコロナの感染状況を注目することになるだろう。したがって、大きくは動けないか。

東京市場も今週は4連休を控えて、様子見になりそうだ。やはり東京都をはじめとするコロナ感染の推移が、いちばんの気がかりだ。連休中に悪い数字が出るかもしれないから、積極的には買いにくい。もう1つ、トランプ政権が打ち出した中国IT企業の製品を使っている企業を、アメリカ政府との取り引きから締め出す政策。まだ詳細は不明だが、企業によっては大きな打撃になる可能性がある。投資家は要注意だ。

今週は20日に、6月の貿易統計。21日に、6月の消費者物価。22日に、GO TO トラベル開始。アメリカでは22日に、5月のFHFA住宅価格と6月の中古住宅販売。21日に、6月のカンファレンス・ボード景気先行指数。24日に、6月の新築住宅販売が発表される。

       ≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

Zenback

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