経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

企業の儲けは コロナ前を超えたのに

2021-12-02 08:07:44 | 利益
◇ 株価も賃金も上がらない現実 = 日経新聞が上場企業1548社の3月期決算予想を集計したところによると、最終利益の合計は26兆6503億円で前年を48.3%上回る見通しとなった。過去最高の水準であり、当然コロナ前の実績を超える。製造業は最終利益が17兆3877億円で46.0%の増加。非製造業は9兆2525億円で52.9%の増加となる。企業の業績は絶好調である。

製造業で増益率が大きいのは、鉄鋼が27.4倍、精密機械3.3倍、繊維3倍など。減益になるのは医薬品だけ。また非製造業では小売りが80.9%の増加、サービスも24.4%伸びる。ただ鉄道・バス・空運はなお赤字の見込みだが、赤字幅は縮小する。このように業種によってバラつきはあるものの、全体としてみれば企業は大儲けしている。ところが、これが株価や賃金に跳ね返らない。

コロナ前の19年末、日経平均株価は2万3657円だった。それが、きのう1日の終り値はは2万7936円。わずか4300円しか上昇していない。企業利益の大幅な増加を全く反映していないと言えるだろう。もちろん株価にとっては、衰えをみせないコロナの勢いが大きな重しになっている。加えて日本経済の先行きが不透明なことも、株価が上がらない理由となっている。

いま非製造業も含めて多くの企業が、国内よりも海外で大きな利益をあげている。このため国内での設備投資や正規社員の増加には、あまり積極的ではない。人手不足は非正規社員で賄う傾向が強くなっている。だから全体としてみた平均賃金は上がらない。岸田首相が法人減税で賃上げを促進しようとしても、企業の多くは減税など必要ないほど儲けている。さて、どうなりますか。

        ≪1日の日経平均 = 上げ +113.86円≫

        ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

息吹き返した 小売り業 : 10月

2021-12-01 07:56:25 | 小売り
◇ 緊急事態宣言の解除で上向く = 経済産業省は29日、10月の商業動態統計を発表した。それによると、商業販売の総額は48兆8750億円で前年を5.0%上回った。このうち小売り業の販売総額は12兆5520億円、前年比で0.9%の増加だった。10月1日から緊急事態宣言などの行動規制が全面的に解除されたためで、デパートや家電大型専門店など多くの業態で売り上げが伸びた。

業態別にみると、デパートの販売額は4265億円。前年比2.5%の増加で、3か月ぶりのプラス。家電大型専門店は3511億円で1.9%の増加、5か月ぶりのプラス。ホームセンターは2808億円で0.4%の増加、6か月ぶりのプラス。スーパーは9927億円で0.9%の増加となっている。コンビニは9927億円で、前年比0.2%の減少だった。

業種別にみると、大きく伸びたのは燃料小売り業で、前年比25.9%の増加。ガソリンや灯油の値上がりによるところが大きい。飲食料品小売り業は3.7%の増加。機械器具は2.2%の増加だった。一方、自動車小売り業は19.5%の減少、無店舗小売り業も2.0%の減少となっている。

小売り業は全体として息を吹き返した感じだが、巣ごもりからのリベンジ消費は小幅にとどまった。消費者はまだ恐る恐る財布のひもを緩め始めた状態と言えるだろう。11月はもう少し積極的な消費行動に移ると予想される。ただ南アフリカ発の新型変異ウイルスが発生したから、年末年始の状況がどうなるか。予測は難しくなってきた。

        ≪30日の日経平均 = 下げ -462.16円≫

        ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

Zenback

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