m's diary

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光の教会

2007-12-30 | 建築巡り・街歩き【大阪】



安藤忠雄の「光の教会」へ今年最後の日曜礼拝へ参加。

いつも行く図書館の建築コーナーにある「光の教会 安藤忠雄の現場」という本、
気になりながらも「光の教会」へ行く時には読んでから行こう~とは考えつつ機会を失っていたが・・・
先日あるコメントでマイミクのCさんからこの本はおすすめ、ということをお聞きしこれをきっかけにこの本を借りて来て読んでみた。
それがすごく面白くて感動した!

厳しい予算の中でも妥協を許さない安藤忠雄の「光の教会」建設に対する信念と情熱、それを理解し周りで支える人たちとの信頼関係などが細やかに描かれていて、お金ではなく自分の信念や人との信頼関係で動くことが出来る人たち、そしてその結果ようやく完成した教会の話に感動~

今回この本を読んでこの感動が冷めやらぬうちに生の「光の教会」を見ておきたい、と出かけたのだった。





毎週日曜日10時半から行われる日曜礼拝。
教会の見学目的の場合でも出来る限りこの礼拝へ参加をすることを勧めるとの旨がHPに記されていたので参加することに。

初参加の私は住所、名前などを書き、礼拝の簡単な説明を受け、聖書、賛美歌集などを貸し出して頂いて礼拝堂へ案内された。





礼拝堂は直方体の建物に斜めに壁が貫入していて、そこが入り口になっている。
斜めの壁は内部に差し込む光を制限する役割と壁に沿って導かれるというアプローチの役割の二つの機能を果たしている。





そして礼拝堂へ入った途端、正面の十字架から差し込む光が目に飛び込んできた。
すごい。。
朝の光が鋭く差し込む礼拝堂は何だか神々しい雰囲気に満ち満ちていて、そこにはほんとに感動的な光景があった。





後ほど聞いた牧師さんのお話ではこの礼拝堂を作るにあたって牧師さんが安藤忠雄に望んだことはシンプルでありながら聖なる空間。
何の飾りもいらない、ステンドグラスも十字架さえもいらない、しかし教室や集会所のようなただの箱であってはならない聖なる空間をということだったのだそう。
でもそれが見事にかなえられた空間なのでは、と思ってしまった・・




床材や椅子などはこのコンクリートの荒々しい建物に調和するようにと建築用の足場板を材料にして作られている。







安藤忠雄の希望により前方は光の十字架と説教壇だけにしたいということで後方へ置かれたオルガン。





礼拝堂内から見た、直方体に切り込む斜めの壁。
礼拝堂内に風の通る通る箇所といえばここだけ。
この中にはエアコンなどの設備はなく冬は寒く、そしてその寒い冬より困難なのが夏だという。
今日の朝は6℃、ストーブを焚いてようやく13℃になったのだそう。
牧師さんの話では安藤忠雄とある方との対談が冬場、この礼拝堂であったのだそうだが安藤忠雄にこの寒さを思い知らせたいとストーブも焚かずにいたという。
約30分の対談後さすがの安藤忠雄も「寒い~!」と飛び出してきたのだそう。

が安藤忠雄は今もまだ、よりクリアな光を取り込むために十字架部分のガラスを外すことを諦めていないという・・




礼拝堂建設10年後に造られた隣接する教会ホール。
礼拝堂とは別々の建物ではなく、一つの建物としてお互いが補い合っている。
礼拝堂とは雰囲気が変わって床板や椅子などの家具も明るい色調。




外側から見た十字架。
安藤忠雄の「昔からそこに在るものに対して敬意を表する」という気持ちから元々ある木々は全て残されている。

この教会に通われている方は元々ほとんどがご近所の方々ばかりだったのが、新しい礼拝堂が出来てからは遠くから来られる方がずいぶん増えたのだそう。

この日は初めて礼拝に参加した人は17名もいた。
遠くは大分や東京から、さらには韓国、香港からの外国の方々も。

今年の締めくくりによい本とよい建築を見ることが出来て幸せ&感謝です~!

コメント (6)
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