日本橋高島屋へやって来た。
こちらの屋上には小森忍の噴水があると聞いていた。
屋上へ上がる前にまずは外観を鑑賞。
昭和8年、高橋貞太郎設計により建てられた日本橋高島屋。
平成21年に百貨店として日本初の重要文化財に指定されている。
建物は重厚な西欧の歴史様式に和風の意匠が見られるという。
更に昭和8年竣工から約、30年に渡って増築が重ねられてきたそう。
エントランスホールにある欄間には東洋風の意匠の透かし彫りが入れられていて
天井装飾も豪華、
扉にも欄間とよく似たデザインのレリーフが入り、
店内へ足を踏み入れる前のワクワク感が高まる。
売り場の方は写真撮影はダメだろうなと、念の為受付でお伺いすると、
お客様に向けて撮影しなければOK、と快諾頂けた。
さすが重要文化財の建物だからか?建物見学の客にも優しいのがうれしいな。
イタリア産大理石の巨大な柱が立つ吹抜けの空間は百貨店の風格が漂う。
建築当初のシャンデリアは戦時中の金属供出により取り去られ、
現在のものは増築を手掛けた村野藤吾デザインのものだそう。
1階から2階への中央階段も圧巻。
黄金に輝くエレベーターはアメリカ製の手動式で、内部の機械は変えられながらも
建築当初からのものが使われている。
周りの茶色の柱は大理石。
現在も操作は手動で行われている。
このレトロなエレベーターに乗って屋上へ。
屋上のエレベーターの表示板。
屋上のエレベーターホールもサンルームのような素敵な空間。。
エレベーターホールの窓の桟の装飾も美しい。
そして屋上に出ると、、お目当ての噴水があった!
水は出ていないようだったけど、円形の池の中心に設置されていた。
昭和8年高島屋開店時に設置された小森忍による作品。
開店の年に、小森忍は日本橋高島屋で個展も開催したのだとか。
唐草模様の透かし彫りボール状のものが天辺に乗り、下の土台も円柱が組み合わさったものが2段に。
深みのあるブルーの釉薬の色が素敵だなあ。
もう少し近寄って見たかったのだけど、生垣などもあって近寄れないようになってた;
池の周りの内側にも噴水と同系色のモザイクタイルが貼られ、
噴水の縁に沿っていくつかある羽の生えた怪獣像?は伊藤忠太っぽいなあ。
よく見ると、口に穴が開いてたのでここからも水が噴き出ていたのか?
そして事前に教えてもらっていたのに屋上で見るのをすっかり忘れてた塔屋を地上から見上げる。
こちらは増築を手掛けた村野藤吾により、昭和25年に屋上遊園にやってきた子象、高子を模して
造られたものだとか。
高島屋の向かいにあるのは昭和2年に建てられた旧川崎銀行本館。
現在は復元されて、スターツ日本橋ビルに、1階は高島屋の時計専門店になっている。
三越日本橋本店は関東大震災で被災した大正期の建物を昭和2年にリニューアルした建物。
高島屋と同様に重要文化財。
宝石のようなものが貼り付くきらびやかな玄関の装飾に目を奪われる。
大正3年建築当初からあるというライオン像も。
高島屋とはまた違った華やかさ。
扉の装飾
地下の柱の上部の装飾がアールデコ全開で可愛かった。
こちらは明治29年辰野金吾設計により建てられた日本銀行本館。
カメラに収まりきらず、威圧感も半端ない。
昭和4年に関東大震災から復興し、2代目として建てられた三井本館。
現在は三井信託銀行として使われている。
昭和8年建築明治屋京橋ビル。
店舗兼事務所として使用されている。
1、2階は御影石貼りに。
3階以上はタイル貼りだそう。
2階軒周りの装飾がとても繊細。
百貨店や銀行など重要文化財のオンパレードのスケールの大きな建物が立ち並ぶ界隈。
重厚感あふれる建物に圧倒されたひとときだった。
この後はお昼のランチに学士会館へ向かった。