先日、京都を歩く会で桂離宮に申し込んで行ってきた。
20ウン年前にこの面子で行ったと思ってたが、修学院離宮だけで、桂離宮は初めてだったと行った後気づいた;
桂離宮は江戸時代の17世紀に皇族の八条宮の別邸として建てられた建築群と庭園からなる。
こちらは茅葺切妻屋根の御幸門。
この先には桂離宮の正門である表門がある。
御幸門はあべまきという自然木の皮付丸太で支えられている。
野性味あふれる木だなあ。
御幸門から表門への道は長く見えるように、先へ行くほど道幅を狭めるなど視覚的な効果が考えられ、
小石を敷き詰めた道は着物の裾が濡れないようにと、水はけをよくするため、中央が少し盛り上がっている。
後ほど、外から回って見た桂離宮の正門の御成門
檜丸太の門柱に磨き竹を隙間なく並べたもので、特別な場合以外は開けられることはないという。
意外とシンプルで質素だった。
外腰掛は茅葺寄棟造りの屋根を皮つき丸太が支えている。
茶室松琴亭の待合い腰掛。
左端には便所がついていて、そこは使われることはないが常にきれいに掃除されていて、
もてなしの心を表わしている。
その向かいには島津家から献上されたという蘇鉄山があり、
腰掛の前には自然石と切石が組み合わさった「真・行・草」の「行」の飛び石が長く延びている。
その先には回遊式庭園が広がる。
黒い石が敷き詰められた洲浜の先端には灯籠があり、岬の灯台に見立てて海を演出。
向こうに見える橋は天の橋立に見立てたものと言われているのだそう。
どこから見ても正面になるという回遊式庭園は、どこから撮っても絵になる感じ。
立派な松の枝ぶりにも惚れ惚れ。
向こうに見える建物は松琴亭。
松琴亭は桂離宮の中でも最も格の高い茅葺入母屋造りの茶室。
桂離宮には茶室が4つ点在していて、それらは春夏秋冬をモチーフにした四季の茶屋となっている。
ちなみに松琴亭は冬の茶屋だそう。
茶室は三畳台目、遠州好みの八窓の茶室。
一の間
二の間
青と白の市松模様の襖はとても大胆で斬新。
以前は加賀奉書が使われていたそうだけど、現在は越前奉書が使用されているとか。
袋棚には狩野探幽の絵が描かれている。
深い軒の軒桁はあべまき丸太、垂木は竹と、自由に作られていて、
縁側に突き出したところにはかまどや棚など水屋が置かれ、オープンな茶席を演出。
右手には石作りの長炉といわれる部屋をあたためるものが設置されている。
賞花亭は小高い島の上にある素朴な茶室で、峠の茶屋と呼ばれている。
茅葺切妻屋根に皮付きの柱が用いられ、
竹の連子窓からは緑が目に入る。
風の通る吹き放しの開放的な賞花亭は春の茶室に。
園林堂は元持仏堂だそうで、現在は建物だけが残っている。
笑意軒は田舎屋風の茶室。
茅葺寄棟造りの屋根にこけら葺の庇がついている。
腰高障子の上に六つの丸い下地窓。
障子の引手はボートの櫂をモチーフにしたもの
踏み石は「草」の踏み石だそうで、自由奔放に並べられてる。
こちらの引手はなんと矢の形。
矢の羽の部分が引手になるようで、面白いなあ。
笑意軒からは先ほど見てきた園林堂の全景が見える。
太鼓橋と共にいい眺め。
こちらは桂離宮の中核をなす書院群で、右手から古書院、中書院、楽器の間、新御殿と雁行して並んでいる。
書院の見学は外からのみ。
建物は川の氾濫に備えて、又庭の鑑賞の為に、高床式になっていて、こけら葺の屋根は20年に一度、ふき替えられるという。
建物前の広場では弓場や蹴鞠なども行われていたそう。
月波楼は秋の茶室で観月の為に設えられたものだそう。
天井は竹の垂木が船の底のような形に組まれ、舟底天井に。
襖の引手は機織りの道具を表わしているという。
窓からは池を眺めることができる。
こちらの茶室も水屋はオープンになっていた。
書院の玄関である御腰寄。
中門からは切り石が敷き詰められた延段が延び、緊張感のある真の踏み石になっている。
ここでぐるりと一周回ってくることができた。
約1時間のガイドツアーもお開きに。。