m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

台湾花磚博物館徐館長によるオンラインセミナー

2023-04-10 | 個展他

昨日は、台湾キッチンさんでのイベント、台湾花磚博物館の徐館長によるオンラインセミナーが開催され、午前中のワークショップに引き続き、お手伝い&拝聴させて頂いた。
なかなか外国へ行けない中、お久しぶりの館長さんからリアルタイムでお話を伺うことができて感激だった。

2018年に訪問時には4000枚と言われていたタイルが現在では1万枚以上と、加速度的に救出枚数は増え、1000種類以上のマジョリカタイルの発見、リニューアルした博物館には、500種類のタイルの展示がされているという。
博物館に展示されているマジョリカタイルは、救出したものをそのまま展示するのではなく、カビなどの汚れを1枚、2.3ヶ月かけてクリーニングし、貼られた当時の姿に戻して展示されている。
土日は、長蛇の列ができるくらい台湾でも人気のスポットとなっている。



現在、博物館では、QRコードを読み取れば、そのタイルのメーカーや製造年が分かるシステムや、オンラインでデータベースを公開する準備もされてるそう。



高価なマジョリカタイルは、目につきやすい建物の正面、屋根の棟や妻に貼られていることが多い。



屋根の上のタイルを剥がすのは、体重の軽い館長さんの仕事とか。
高い屋根の上での作業は、危険極まりなさそう。



又高価なマジョリカタイルは、信者の寄付により賄われる寺院に数多く残され、富裕層のお墓、仏壇などに用いられることもある。

場所の分布でいうと、台湾の東海岸にはほぼなく、西海岸に集中していて、
台南がもっとも多いのだそう。
集中して見れるのは、金門だとか。

台湾にあるマジョリカタイルの95%は、日本製で、シンガポールになると、日本製は40%、ヨーロッパ産が60%を占める。
人気のタイルのデザインになると、一つのパターンで、20社ものタイルメーカーが製造していたそう。さすがに20社もあると、裏足を見なければ、メーカーは見分けられないなあ。



建物の正面に貼られる場合、複数のパターンのマジョリカタイルの組み合わせや、窓の格子に沿って貼られたり、「寿」の字にタイルで装飾、
幾何学模様で組んだり、洗い出し仕上げの壁面に絵付けされたタイルが貼られるなどという使用例がある。

マジョリカタイルの壁の中の一枚が盗まれ、欠けてしまったという金門のある家は、50年かけて同じタイルがないか探していたそう。
ある時、その家の方が台湾花磚博物館に訪れ、同じタイルを発見。
博物館では、無償で提供し、50年ぶりに壁が見事に蘇ったという。
台湾花磚博物館では、出来る限り、元あった建物でタイルを保存することを第一目的にしていて、やむを得ない場合のみ建物からタイルを救出し、保存するという形を取っている。


又、保存だけでなく、活用してこそ、永久に文化は残るという考えから、復刻マジョリカタイルを100年前の技術で製造し、積極的にそれらを使用。
こちらの写真は、復刻マジョリカタイルが貼られたトイレ。

又、既存のデザインの復刻だけでなく、台湾原産の白い胡蝶蘭、蝶々など台湾ならではのモチーフを取り入れ、台湾文化を融合したマジョリカタイルも制作しているそう。

更に今年は、台湾のマジョリカタイルスポットをマッピングした本も出版予定とのこと。
台湾花磚博物館の更なる進化が見られた貴重なセミナーだった。

世界的に有名になった徐館長さん、お忙しいところセミナーの依頼を快諾してくださり、とても有り難かった。
今後の日本での、台湾花磚博物館のマジョリカタイルの展示に繋がっていくと、とてもうれしい。
台湾キッチンのママさんとご主人のおかげで、言葉の壁を越えた素晴らしいセミナーを拝聴することができました。
ありがとうございました。

会場の皆さんへ、徐館長からのサプライズプレゼントもうれしかった。
台湾キッチンさんのおやつ、豆乳掛けの豆花など、博物館のある嘉義にちなんだお菓子をお作り頂けました。







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