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岐阜ではもう一つ、インスタを拝見していた土岐市のケラモスアートさんへ訪れるのも楽しみにしていた。
ケラモスアートさんは、全国の数々の有名近代建築のタイルやテラコッタの復元を手掛けられている。去年の夏にギャラリーをオープンされ、少し前に訪れた京都タイルギャラリーでもタイルの実物を拝見していて、とても興味を抱いていた。
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ギャラリーへ訪れると、外壁には、色とりどりの渋いスクラッチタイルが貼り巡らされていた。
なんというインパクト!
なんという美しさ!
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これらの味わいのあるタイルは、神戸女学院の第三期の修復工事に携わった際に何度も焼き直し、試行錯誤した試作品なのだそう。
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茶色に緑混じりや青混じり、グレー、さまざまな色味のタイルが美しい。
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タイルは、湿式の押し出し成型で作られ、
一枚一枚、手作業でスクラッチを入れたもの。
機械では出せない味わいがある。
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スクラッチタイルに見惚れてしまって、なかなかギャラリーに入れず、、
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ご兄弟2人で、タイル制作をされながら運営されているギャラリーは、陶板、陶俑作家さんでおられたお母様の作品の常設展示をはじめ、オリジナルのハンドメイドタイルが展示、販売されてる。
あれもこれも欲しい、見たいものばかりで焦る、、
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まずは、今まで近代建築の修復時にタイルの復元を手掛けられたものの資料を見せて頂いた。
京都市美術館の旧玄関のこのタイルもいくつか修復されてたんだなあ。
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別府公会堂の藍色の布目タイルも!
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銀座の奥野ビルの1階部分のスクラッチタイルも!
他にも京都図書館、京都大学、北海道大学、ロームシアター京都、山の上ホテル他多数、、あの近代建築も、この近代建築も数々の名だたる近代建築の修復に携わられていたのだった。
大手ではなかなかできないきめの細かな対応で、質の高い復元タイルをたった2人で作られているというのが驚きだった。
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先斗町歌舞練場外壁の復刻タイル。
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布目がよじれるように入ってる別府公会堂の布目タイル。
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山の上ホテルの修復時に階段から出てきたというタイルの復元も。
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なんとあの大阪の小川香料のアールのついた軒のテラコッタの復元品まで作られていたとは!
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敷き瓦も。
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イシュタール門のミニチュア。
大手の会社ではなかなか対応できないといったものが最後に回ってくることが多いのだとか。
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復元だけでなく、他にも特殊な金型で作られた押し出し成型によるオリジナルデザインのタイルを手掛けられている。
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お花の形をしたオブジェもかわいいし、
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複雑な形を抜いた透かしブロックのようなタイルも美しい!
こんな風に積み上げて使っても、一個だけでも存在感がある。
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そして別棟の展示室には、色とりどりのレリーフタイル!
ホームセンターの鉄筋を使って作られたというディスプレイ棚が、ローコストでシンプルなのにセンスよく、タイルの可愛さがめちゃめちゃ引き立ってる!
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この中から欲しいものいくつか選ぶのに困難をきたす。
棚ごと買い占めたいレベル。
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他にも様々な手作りタイルを見せて頂いた。
これもすごく面白いなあ。組み替えると又違ったデザインになるようだ。
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作業場も見せて頂いた。
1250度まで上がる窯は、焼き上がりは6日間かけてじっくり冷ますという。
じっくり冷やすことで、結晶など風合いが生まれるようだ。
他にも粘土を圧縮して、押し出し成型する機械や、その口金となる手作りされてる金型、石膏型から空気を送り込んで粘土を外す機械など、興味深いものをいろいろと見せて頂けた。
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更にはスクラッチ体験まで。
一本が半筒状の針を並べて作った器具を使って、フリーハンドで真っ直ぐ引っ掻く。
思ったより深めに引っ掻かないと、もろもろしたわらびが出ない。
引っ掻いた後は、ローラーで軽く押しつける。3回目でちょっとそれらしいのができたかな?!
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お庭には、さまざまなタイルの試作品などが敷き詰められていて、一向に飽きない。
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織部の敷瓦なども。
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エントランスは、オリジナルのレリーフタイルが散りばめられている。
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レリーフタイルの周りは筑波大学に使われた復刻タイル。
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悩みに悩んで選び購入。
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可愛い干支のトラのオブジェも。
ちょうど急ぎのお仕事があるにもかかわらず、丁寧に応対して頂き、
タイルの世界を超満喫させて頂いた。
復刻タイルなど、本物を再現するためには、質感や色味などきめ細かな調整が必要で、何度も焼き直しが繰り返され、手間と時間、コストのかかる大変な作業。採算が合わず閉業されていく同業者が多々ある中、ケラモスアートさんでは平成元年創業以来、制作を続けておられる。
見学をさせて頂き、近代建築の修復にも多大な貢献をされているこのような小さな会社があるということをより多くの人に知ってもらいたいなと思った。
ケラモスアートさんのHP→☆
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