m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

池田泰佑 陶製モザイク展へ

2018-11-19 | 美術館・ギャラリー他

今日は、昨日ツイッターで今日までの展示と知った「池田泰佑 陶製モザイク展」へ訪れてきた。

池田泰佑先生とは、あの泰山タイルの創始者、池田泰山のお孫さんにあたるお方で、

以前、川島先生の建築講座で、自宅の方へお庭などに敷かれてるタイルを拝見しに訪れたことがあったが、

個展へ伺うのは初めてだった。

2年に一度のペースでされておられるとのことなので、今日を逃すと2年は見れないと思って急きょ行くことに。

 

 

三条にある北野ギャラリーへ伺うと、池田泰佑先生と奥様がおいでになられた。

泰山タイルが大好きだということを告げ、泰山タイルのこと、先生の制作されておられるモザイク画のこと

いろいろとお話を聞かせて頂くことができた。

素人の私にもとても親切にさまざまなことをお話してくださりとても感激した。

(写真掲載ご了承頂いた)

 

 

先生の作られているモザイク画を拝見すると、とても深みのある素敵な色合いのタイルが使われていて、

ひとつひとつのピースが宝石のように美しい。

私が惹きつけられたこのモザイク画は、写真では正確に色が表わせなくて悔しいのだけど、

緑のさまざまな色合い、濃淡によってデザインされたもの。

 

 

緑だけでも8種類もの色合いがあり、それぞれに濃淡が5段階。

8×5で40種類もの色を焼き分けられているという。

この一見黒かと思うピースも、部分によればやや緑がかって見える箇所があり、その焼きムラが奥深く美しい。

森をモチーフにされたという作品はご自宅近くにある東福寺の裏山や旅先で見た景色からインスピレーションを

得られるとのこと。

 

 

こちらは青を基調とした作品。

こちらも本当にきれい!

 

 

写真の下部に使われているタイルは釉薬が薄くかかったもので、土の質感が見え隠れしている。

青の濃淡、細やかな窯変にうっとりしてしまう。

驚いたのはこの真ん中の青にピンクがかった部分。

こちらは青にピンク色の釉薬を重ね掛けされたものかと伺ったら、

こちらも窯変によって現れた変化なのだそう。

釉薬の濃さだけでなく、窯の中である一定の温度に当たった場合に出る色合いなのだという。

温度が高すぎても低すぎても出ないものだとか。

泰山タイルにもいえるということだけど、基本、重ね掛けはせず、一色の釉薬で、濃淡や温度による窯変で

あのような美しい色合いがでるのだそう。

面白く、とても興味深い・・

 

 

こちらは白いタイルが基調となっていたが、白といっても、とても温かみがあり、表情があるのだ。

 

 

真ん中のブルーのタイルが目の覚めるようなきれいな色で素敵なアクセントになっていた。

通常、モザイクで使われるタイルは150mm角の5mm厚のものを色毎に焼き上げられるそう。

下絵を描いたところに、その部分部分に合わせてタイルニッパーでカットされるという。

そのカットのラインがちぎり絵のようにやわらかく、和の風合いを感じる。

 

 

中にはこのようなとても明るいオレンジ色や赤色もあった。

こちらは赤楽といい、他の本焼きのタイルと違って楽茶碗を焼く時のように低温度の750度で焼かれたものだそう。

 

 

スペインタイルのような鮮やかさがあるけれど、単調な鮮やかさではなく、奥行きのある鮮やかさというか、とても美しい発色なのだ。

まるで日本の鮮やかな紅葉を表わしているような・・

 

 

いちいち質問をしてしまう私に、丁寧にさまざまなことを教えて頂いた。

泰山タイルの復刻、もお願いしてみたが、後継者も今のところはおられないそうで

受け継いだ釉薬の調合も、土や鉱物、窯などの条件が昔とは変わってきているので、昔と同じものを焼くことは難しいという。

 

 

私は泰山タイルで、モザイク画は今まで見る機会がなく、

取り壊された別府湯は見逃していたし、東京国立博物館のは学生の時行って以来でまだ見たことがなく

あまり印象がなかったのだけど、タイルを割って貼り付けて柄を作るという集成モザイクの技術は泰山タイルが日本初だとのこと。

ちなみに今も観れる泰山タイルのモザイク画は京都にありますか?

と尋ねると、京阪鳥羽街道駅の稲荷山武田病院(旧大羽病院)を教えて頂けたので、後ほど行くことにした。

今日は本当に貴重な話を聞かせて頂き、長居させて頂いてありがとうございました。

又、次回の展覧会を楽しみにしております。

 

 

その後、先生に教えて頂いた稲荷山武田病院へ。

玄関を入ると壁面にモザイク画が現れた。

うわ~っ、すごいなあ。

 

 

さまざまな鮮やかな色合いのモザイクタイルが船を美しく形づくっていた。

泰山タイルならではな辰砂釉も見られる。

 

 

深みのあるこのオレンジや黄色のモザイクは先ほどギャラリーで拝見したものととてもよく似た色合いだ。

 

 

美しいなあ。。

 

 

泰山の銘も入っていた。

額縁も陶製のもので素敵!

病院の方に何かいわれがあるのか聞いてみたが、前の病院時代からあって、詳しいことはわからないとのことだった。

 

 

その後、清水五条まで歩いて、池田泰佑先生の作品があるという京都陶磁器協会へ。

入口入ったところの床面に入れられていたモザイク画。

とてもさわやかな色合いだなあ。

 

 

こちらも辰砂が美しい。

 

 

この日は泰山タイルのモザイクにどっぷり浸れた感動の一日だった。

 

 


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