6月に行ったハンガリーとチェコの旅の消化作業が全く追い付かなくて、
満たされたまま夏を越しつつあったが、涼しくなったら、ちょっと遠出したいなと思っていたところ、
お声をかけて頂き、先週末、岡山の江川式建築とタイルを巡る旅へ行ってきた。
プラン立ても運転もお任せで、朝9時半岡山集合で、スタート。
駅前の広場には、備前焼タイルが乱貼りされてて、いい感じ。
まずやって来たのは、駅近くのこのマジョリカタイル物件。
普通の民家ぽいけど、赤いテントは、何かお店の名残り?!
見覚えのあるデザインの数種類のマジョリカタイルが、貼られていた。
建物の高い位置に、こんな風に貼られてるのは、なんだか台湾ぽい。
普通に地上を歩いていると、見落としそうだけど。
並びには、黄色のタイルが可愛いビューティーサロンも。
お隣の建物の足元には、玉石タイルもあり、妙にタイル度の高い一画だった。
そして次なる目的地、江川式建築の急旭東幼稚園八角園舎へ。
建物は明治41年に建てられたものを移築復元したもの。
中央に八角形寄棟造の遊戯室があって、そこから四方に保育室などが繋がっている。
日本でも八角形の遊戯室を持つ園舎としては、最も初期のものだそう。
以前に、外観だけしか見たことがなかったが、この日は、内部も見ることができた。
中央の遊戯室は、子供たちも喜びそうな広々とした空間。
子供たちの管理もしやすそう。
現在も市の施設として、様々なイベントに使用されているようだ。
重要文化財だけれど、活用されつつ保存されているのがいいなあ。
遊戯室の周りには、会議室や、
子供たちのための絵本のへやも。
展示室もあった。
建物の周りをぐるりと一周。
そして八角園舎へ向かう途中、タイリーな美容室を車窓から発見していたので、寄ってもらう。
タイルに囲まれた奥まった木の扉、
良い味わいの型押しタイル。
ポーチにもこんな蜀江文柄の無釉モザイクタイルが貼られてた。
サインポールもおしゃれ。
そして次なる江川式建築は、明治43年に建てられた旧赤坂尋常高等小学校校舎。
屋根の上には、赤坂という地名から、楠木正成の赤坂城にちなんでつけられたという菊水の紋章。両脇にはしゃちほこもいた。
現在は、「こども図書館ほたる」として活用されている。
この日は休館日で、内部には入れなかったけど、
床下換気口のデザイン。
外からうっすら見えた図書館内部。
図書館ぽくなくて、おしゃれ。
大人もゆっくりくつろげそうだなあ。
そして赤磐酒造へやって来た。
入口は、渦巻のクリンカータイル。
中には洋館もあるのかと思いきや、こちらは洋館に見せかけた
ダミーだそう。
門の外から見える、こちらの面だけ、当時流行った洋風の造りにしたとか。
柱の下部はタイル貼りに。
当初は装飾がもう一方の柱と、中央にもついていたのだそう。
中は全く和風だそうで、、
ここで試飲や買い物を楽しみ、ランチへ向かった。
予定してたランチ場は、閉まっていて、近くで探したここ、
レストランサンデーがなかなかよかった。
昭和レトロなショーウィンドウ。
内部もステンドグラスの照明など、レトロでいい感じ。
何より、大通りに面していないお店なのに、お客さんでいっぱいの地元ご用達店のようだった。
洋食メニューが充実していて、カニクリームコロッケランチ、美味しかった。
食後は、タイルスポットの「清子の家」へやって来た。
現代詩の母と呼ばれた詩人永瀬清子の生家が、地元の有志による保存活動
で現在、様々に活用され、毎月第三日曜に一般公開されている。
タイルスポットは、離れの風呂場。
中はポピュラーな文様の瀬戸の本業タイルの大判タイプが床面と、立ち上がりにびっしりと貼られていた。
壁面には白いタイルが貼られ、
浴槽の周りには、ボーダーの雷文タイルも。
雷文の緑色はよく見かけるけど、こちらは、水色。
雷文タイルや白いタイルは、剥がれていたものがあったが、裏には厚くモルタルがついていて、裏足などは確認できず。
今後風呂場もきれいに改装されるそう。
主屋の二階。
床の間の壁は雲母が入り、キラキラしている。
釣鐘型の引手や、
七宝繋ぎ文、
泡のような文様の引手があった。
1階は田の字に区切られた四間があり、そちらのスペースは、書道教室や、
さまざまなイベントに使われている。
天井に掛けられていたはしごを下すと、2階からは出入りできない隠し部屋へ上がれるようになっていた。
台所には、モザイクタイル貼りの調理台とシンクが。
Eの文字は何か不明。
煉瓦造りのおくどさんもあった。
最後に、建物と共に登録有形文化財になっているという井戸も見せて頂いた。
現在も現役で、掃除用として使われてるそう。
この日はまだ暑かったので、ひんやりした水がうれしかった。
クマが可愛い熊山町のマンホール。