京都、橋本にあるこの二階の連なる窓が印象的な建物がマッサージ店としてオープンしたとの情報を得、先日、そして一昨日と訪れてきた。
鯉と水紋の透かし彫りの欄間が目を惹く外観。
玄関を入ると、目に飛び込んできた書院風の入口?!
装飾の洪水に度肝を抜かれる~
この日は3人でマッサージの予約をしていて、マッサージの前に見学させていただいた。
上がり框は二段重重ねになっていて、一段目はタイル貼り、
二段目は節だらけの木材が使われてて、階段一段目のアールに沿って、同じく弧を描いている様にうっとり。
上がり框のコーナーを包み込むように貼られたタイルにも萌える~
こちらのタイルはマットでカラフルな色合いのあまり見たことのないようなタイル。
所々、窯変が美しい渋めのタイルが入れられてる。
書院の障子は、大胆なデザインの組子が入れられていて、その前には
自然の木の根を利用した鶴?のオブジェが存在感放ってた。
階段の一段目のアール。
二段目の上がり框と同じく節だらけの木が使われてる。
階段上り口の天井もアールを描いていて、玄関だけでも萌えポイントがいっぱい。
ほんとは出入りするところじゃないだろうけど、書院の障子をくぐって中へ。
主室との間に細かい細工が施された欄間。
松林や山並み、橋などが透かし彫りされている。
主室には壁一面にビルトイン和箪笥がきれいに収まっている。
高価な木材が使用されているという。
そして床の間。
自然木を利用した床柱や長押。
書院の欄間は松を中心に竹と梅が添えられた賑やかな意匠。
そして驚くべきは、中庭に面して弧を描き、張り出したステンドグラスの窓。
ステンドグラスを中から。
この華やかさ。所々に花模様がデザインされたアールデコなステンドグラスが可愛過ぎる~
アールを描いたコーナー部分・・
こんなカーブのついたステンドグラス、初めて見たかも?
すごい技術だなあ。更にこれがずっと破損もせずに残っていたのもすばらしい。
中央部分は透明のガラスが入っていて、ガラス越しに中庭が見える。
ステンドグラスの下のスペースは今は洗濯機が設置されたコーナーになっているが、当初はタイル貼りの洗面台が置かれていたそう。ステンドグラスとタイルのコラボが見たかった~
ポップで可愛い色とりどりのガラスに、大興奮!
色の入っていないガラスも、地模様がそれぞれ違っていて、何パターンもの種類があるようだ。
そして中庭の片隅にあったタイルたち。
伺ってみると、玄関の腰壁に貼られていたものだそう。剥がれ落ちてきたため、仕方なくタイルを全部剥がして、貼り替えたのだとか。
玄関の腰壁を見るとかなりの広範囲にタイルが貼られてたよう。
タイルが貼られていた頃は更に華やかだったんだろうなあ。
マーブル模様のタイルもいくつか見られる。
2階へ。
中央にはステンドグラスの欄間のあるお部屋。
部屋の前の廊下天井には扇の意匠が広がる。
部屋の入口上部には幾何学模様のステンドグラス。
幾何学模様に花も加わって
こちらの部屋は施術室になっていて、楕円形のステンドグラスが
入っている。左右対称のデザインで、1階と同様カラフルで可愛い。
この日はマッサージをしてもらう予定だったが、肩甲骨の不調を訴えると、
「火療」をすすめられ、受けることになった。
火療は中国5千年の歴史のある伝統的な漢方療法。
それが結構気に入って、後日再び、具合が悪い?友人を伴ってやってきたのだった。
体を火で熱した後、漢方を刷り込み、そのまま30分ほど横になって休む。
美しいステンドグラスを眺めながら、至福のひととき。
このステンドグラスをタイルで作っても面白そう~と作品作りの妄想が広がった。
廊下の突き当りは松の意匠の飾り窓。
2階の窓を中から。
外から見るとよく見えなかったが窓の一番下には紫、緑、青、黄と色ガラスが入っていた。
階段は全部で三つ。
10月からは宿泊施設としても営業開始されるとのことで、お部屋も見せて頂いた。
床の間のついた広い部屋。
繊細な欄間や組子が美しい。
「小便」と文字が残されていたトイレ。
床は白黒のタイル貼り、床からの立ち上がりにはカラフルな無釉タイルが散りばめられている。
トイレ前の洗面台は当初はタイル貼りだったそうだが、改修されていたが
両脇の窓は紫の色ガラスが入っていた。
2階から中庭を見下ろす。
物干し台は宿泊施設の為に後から設置されたもの。
部屋の意匠は少しずつ違っていて、清潔にベッドメイキングされてた。
宿泊は二人で泊まると、一人3500円、一人だと5000円(だったかな?)
マッサージ、火療共、1時間2800円とお手頃価格。
お店のオーナーは中国人の方だけど、建物の価値を理解して、
できるだけ元の形を損なわないよう改修されたと言われてた。
こんな風に残してもらえて有難いなあ。
これからも多くのお客さんに来てもらって、末永く維持できたらいいなと思う。