学士会館からの目黒総合庁舎へ移動中、TTKメンバーより、学士会館にいるなら、
明治大学のリバティハウスのステンドグラスや九段中等教育学校のモザイクタイル、九段ハウスがおすすめ!と
リアルタイムで続々と情報が寄せられたが・・何しろこの日はこの後、横浜まで行かなくてはならない。
後ろ髪引かれながらも、それらは又次の機会にと、当初の予定の目黒総合庁舎へ向かった。
日生劇場の見学が叶わなかったので、同じく村野藤吾設計の目黒総合庁舎は見ておきたかった。
昭和41年に村野藤吾設計により千代田生命保険相互会社として建てられ、
改修工事を経て平成15年から目黒区総合庁舎として使用されている建物。
南口玄関棟には玄関口から翼を広げたようなアルミの車寄せの庇が伸びる。
玄関口から出る庇のこのカーブのラインが美しいなあ。
庇をできる限り軽やかなイメージにまとめるため柱の配置が考えられているという。
庇の下に立つと、相当大きく長い庇にもかかわらず、空中に浮いてるような軽さが感じられた。
向かって庇の左手にある守衛ボックスもアルミ製でなんだか近未来的。
この守衛ボックスもそうだけど、床と建物の壁が接する部分は曲面で仕上げられているというこだわり。
柱と床面も、守衛ボックスの後方の石の壁と床面も曲面でつながってる。
南玄関口を入ると広々としたエントランスホールが広がる。
床や壁は白大理石貼りの贅沢な空間。
天井には八つのトップライトがあり、内側にはモザイク・フレスコ作家、作野丹平による
ガラスモザイク作品が入れられている。
四季が抽象的に表されているらしいけど、どれがどの季節かちょっとよくわからなかった;
トップライトからの自然光に照らされ、浮かびあがるガラスモザイクがきれいだなあ。
その奥に進むとガラスブロックの袖壁があり、こちらは間接照明になっているそう。
岩田藤七による「ファースト・ワルキメデスの幻想」という作品。
役所というより現代美術館のようなアプローチだなあ。
一つ一つのガラスブロックが存在感のあるものだった。
エントランスホールから本館へ入ると、更にみどころのらせん階段が出現。
流れるようなラインの手すり、軽やかで美しい階段にうっとり。。
裏側まで美しく。
安全性を考慮して新たな手摺やポリカーボネート板が付けられているそうだけど、
それらを取り去ると、もっと華奢ないでたちになるのかー
一番下の段はぴったりと地面に付かず、浮いているように仕上げられているところなど、
細部にまで軽快さを意識していることが伺える。
階段を下りたり上ったりぐるぐる回りながら、いい角度探して何枚も写真を撮ってしまった;
本館と別館をつなぐ渡り廊下も独特
縦長のガラスブロックから光が射しこむ。
1階喫茶・レストラン前の廊下の柱に貼られている白タイルも竣工当時のものだそう。
この廊下の先には、
和室があり、こちらは池に面した8畳のしじゅうからの間。
障子の桟が独特・・竹の節っぽいデザイン。
縦も横も桟の幅はランダムながら、不思議なまとまりを見せる障子。
天井は籐とヨシで編まれているそう。
このお部屋は休息所として開放されていて、誰でも休憩できるようで、
座敷なので、私が行った時には昼寝してる人もいた。
こんな部屋で昼寝できるなんて贅沢だなあ。
和室は隣にも8畳のしいの間、さらに34畳のはぎの間があって、そちらは閉められていて、
茶庭と茶室もあって、合わせて見ることができるか聞いてみたが無理だった。
そして最後に屋上へ。
建物の全面はバルコニーが設けられていてアルミ鋳物の縦格子でおおわれている。
屋上には日本庭園が。
村野藤吾の名前にちなんで、「目黒十五庭」と名付けられているとか。
深いアルミの格子。
屋上にいるのは私だけだと思ってたら、この格子の間で弁当を食べてる人がいてびびった。
屋上に敷かれてたクリンカータイル。
目黒総合庁舎を堪能~
東京ではめちゃくちゃ歩いたけど、めちゃくちゃ乗った東京メトロ。
東京メトロの一日券、当日限りじゃなくて、24時間有効なのがうれしいなあ。
この後は東京を後にし、横浜へ向かったのだった。