インド企業が英国の製造業の最大の雇用主であるとの記事が、9月11日付けの英エコノミスト誌に報じられていた。8月29日付けブログ「Hazare氏の死をかけた汚職撲滅運動ー世界に波紋」でインド人の特徴について、投稿しましたが、このエコノミスト誌の記事は、インドおよびインド人の国際的に活躍していることを物語るものとして、注目しました。それにしても、日本の鉄鋼業、自動車、電器などの基幹産業がインド、や中国、韓国などの新興国、あるいは欧米先進国の企業に乗っ取られたとしたら、我が国は国を挙げて、攘夷運動さながらに大騒ぎすることでしょう。今や世界では人種や国を超えて、企業が世界中で活躍する時代であり、そんなことを恐れていては、世界の趨勢に置き去りになるのでは危惧する次第です。国を開き、外に打って出る気概、心構えが必要でしょう。
英国は新興国企業(その多くはインド企業)の投資先として、米国に次いで2番目に大きい市場となっています。インドのコングロマリット(複合企業)に属するタタ・スチールがブラジルの競合企業CSNと買収合戦を繰り広げた末に、2007年に120億ドル(61億ポンド)でコーラスを買収した。その翌年には、タタ・モーターズが23億ドルでジャガー・ランドローバー(JLR)を買収した。それ以前にも、飲料の大手や化学会社を買収しており、タタUKはほぼ4万人の従業員を抱え、ブリティッシュ・エアロスペースをわずかに上回る英国最大の製造業者となっているのです。ここにコンサルティング業務などのタタのサービス部門を加えれば、従業員数は4万5000人を超える勢いです。タタが英国で展開してきた企業戦略について、詳しくはエコノミスト誌の記事をご覧ください。