今日、10月23日は、霜降です。“そうこう”と読みます。“しもふり”ではありません。
二十四節気の18番目で、太陽黄経が210度のときで、10月23か24日頃です。露が冷気によって
霜となって降り始めるころで、楓や蔦が紅葉し始める頃ですね。テレビでも、紅葉前線など
といって観光地を紹介しています。
この日から、「立冬」(11/7)までの間に吹く寒い北風を木枯らしと呼ぶ・・とありますが、
実感としては、もっと冬の感じのような気がします。
霜降は、昨年は10月24日でした。このあと、2019年、23年が24日で、それ以外は23日とな
ります。 どうでもよいことですが、2028年から63年までは、ずっと23日なのだそうです。
七十二候では、
初候
霜始降(しも はじめて ふる):霜が降り始める(日本)
豺乃祭獣(さい すなわち けものをまつる):山犬が捕らえた獣を並べて食べる(中国)
次候
霎時施(こさめ ときどき ふる):小雨がしとしと降る(日本)
草木黄落(そうもく こうらくす):草木の葉が黄ばんで落ち始める(中国)
末候
楓蔦黄(もみじ つた きばむ):もみじや蔦が黄葉する(日本)
蟄虫咸俯(ちっちゅう ことごとく ふす):虫がみな穴に潜って動かなくなる(中国)
と、平均的な気候を表していますね。 昔は、これらの暦によって、農作業の目安にしていた
のですね。稲類は、既に刈り終える、マメ類も収穫する、春咲き球根などの植え付けを始め
る・・など、農事歴を作成していたのです。
ところで、霜が降りる・・日本語では、霜が発生することを、「霜が降りる(おりる)」
「霜が降る(ふる)」といいますね・・ 霜が降りる気温は、その周辺の温度が0℃以下で
あることが条件だそうですが、通常、気温は地上から1.5mの高さで観測した温度です
から例えば、気温が3℃と発表されていても、地面の温度は0℃以下になっていることが
あるのですね。このような現象が、この時期には起こり易い・・農業はもちろん、花や植物
の栽培にも霜は要注意ですので、大事な節気です。なので、農作業では、霜対策をするなど
が必要なんですね。
蓼科農園では、サツマイモを植えていますが、月末に収穫祭を計画していて、その時に、
みんなでサツマイモ掘りをしようと半分残しておりますが、先日の作業の時、既に霜注意報
が出ていたというので、大事なサツマイモ(植わった状態で)の上に、大きなビニールシー
トをかけて対策としました。
霜対策(簡易)2種 (ともに、ネット画像より)
(用土の袋を円筒にして支柱にかぶせる) (ペットボトルの上側を利用)
ネットには、空気と接触している物体の表面の温度が霜点(温度が0℃以下のときの露点の
こと)よりも低くなると、空気中の水蒸気が昇華し、物体の表面に微細な結晶構造を持つ氷
が成長する。この結晶のこと、あるいはこの現象自体を霜と言う。着氷現象の一種である。
地中の水分が凍ってできる霜柱(しもばしら)とは異なる。 とありました。難しいですね。
この時期に最初に発生した霜を初霜(はつしも)、最後に発生した霜を終霜(しゅうそう)
などといいますが、農作業では、この霜の被害は大きいので、まだ秋の段階で降る「早霜
(はやじも)」や、もう春になっているのに降る「晩霜(おそじも)」が特に注意が必要に
なるのです。農家では、霜注意報に敏感になります。霜が毎朝降りるような冬の時期には霜
注意報は発表されません。また、夏も近づく八十八夜・・(現在の暦では5月2日ごろ)の
時期の言葉として「八十八夜の別れ霜」(忘れ霜、泣き霜)というものがあり、この時期ま
で霜が降りることがあるようで農作業には注意せよ、ということを意味している とありま
した。
・・・
百人一首でお馴染みの・・
心あてに 折らばや折らむ 初霜の
おきまどはせる 白菊の花
凡河内躬恒(29番) 『古今集』
(おうちこうちのみつね)
ネット訳:「もし手折(たお)るならば、あてずっぽうに折ってみようか。
真っ白な初霜が降りて見分けがつかなくなっているのだから、白菊の花と。」
(置く=霜が降る、降りる)
(ネット画像を加工しました。)