あの十日えびすや福男で賑わう西宮神社に古くから伝わる「おこしや祭り」がありました。
6月14日(昨日)に行われる「おこしや祭り」は、関西で一番早い夏祭りとして「ゆかた祭」
「びわ祭」「尻ひねり祭」とも呼ばれているそうです。
この祭事は、「尻ひねり祭」がその由来で、西宮神社HPには次のようにありました。
『その昔、えびす様が神戸の和田岬の海から漁師さんに連れられてこちら(西宮)へ来られ
る途中に、その場所で疲れて寝てしまわれたのです。 えびす様がなかなか起きないことに
困った漁師さんは、失礼とは思いながらえびす様の尻をひねって起こし、やっとこちらまで
お連れしたというお話が伝えられています。』
で、尻ひねり祭り→おこしや祭り となったそうで、昔は、この日ばかりは参拝者同士が
お互いに、お尻をひねりあって騒いでいたといわれています。このような祭事は、神社創建
の頃(平安時代?)からあったらしいのですが、少なくとも元亀二年(1571年)の『西宮殿
年中御神事』の中にその記録があり、この時代には既に行われていたようです。
おこしや祭り
(ネット画像)
今日では、浴衣姿の華やかな「ゆかた祭り」とか、季節柄「びわ祭り」として、“びわ娘”
を繰りだしたりした、商業的祭りの色彩が強くなっているようです。
西宮神社は、福の神『えびす様』の総本社として全国的に有名ですが、銘酒の産地として
名高い灘五郷の一つ西宮市に鎮座し、その地名の由来ともなっているといいます。
平安時代にはすでに高倉上皇に関する記録があり、室町時代には、七福神信仰による
“えびす様”が、福の神の代表となり、その信仰の本拠地として栄え、謡曲、狂言などの
芸能を通じて全国に広まったとあります。 徳川幕府以降、社勢はますます盛大となると
ともに、上方の商業経済の発展に伴い、福の神“えびす様”が商売繁盛の神として信仰され
るようになって行ったとありました。
西宮神社
(同HPより)
今朝の神戸新聞(ネット)に、『今年の祭りも大勢の参拝客が集まり、午後2時20分
ごろ、えびす様のみこしが神社本殿を出発。 太鼓の音とともにびわ娘や氏子、人形芝居
えびす座らが街を練り歩いた。その後、御輿屋跡地で巫女による神楽奉納があった後、訪れ
た人にびわ娘から、ビワや甘酒が振る舞われた。』とありました。