世界終末時計(Doomsday clock)とも言われていますが、このほど(1/26)に、時計
の針が 30秒進められて、11時58分つまり午前0時まであと2分前となりました。
世界終末時計
(ネット画像より)
この、世界終末時計とは、ウイキペディアに『 核戦争などによる人類(世界や地球と
表現されることもある)の絶滅(終末)を午前0時になぞらえ、その終末までの残り時間を
「零時まであと何分」という形で象徴的に示す時計である。 実際の動く時計ではなく、
一般的に時計の45分から正時までの部分を切り出した絵で表される。』とありますように、
概念的に最大危機を時計の0時に見立てた演出なんですね。 したがって、この1分は、
何年?だとか、針が進む論理とかは無いのですね。
日本に原子爆弾が投下された2年後、冷戦時代の 1947年にアメリカの科学誌「The
Bulletin of the Atomic Scientists 」(原子力化学者会報)の表紙絵として誕生したと
あります。この時、7分前だったのです。
核戦争の脅威を警告するために作ったのだそうですが、その後、核兵器の脅威のみなら
ず 気候変動や環境破壊、生命科学の負の側面による脅威などを考慮して針の動きが決定
されているそうです。
で、これまで、もっとも 0時に近づいたのは、1953年の米・ソが相次いで水爆実験に
成功した時に、2分前とし、今回と同じ危機を表していました。 今回は、昨年2017年に、
2年ぶりに30秒進めて、2分30秒前として、その1年後の今年(先頃)さらに30秒進めた
のです。
昨年の30秒は、トランプ大統領が核廃絶や気候変動対策に対して消極的な発言により、
そして今回の30秒は、北朝鮮の核開発による核戦争への懸念からとあります。
1947年に始まって以来、それぞれの理由によって、これまで24回、針が動かされてきました。
また、午前0時からもっとも離れたのは、1991年のソ連崩壊により冷戦が終結した時の17分
前だそうです。 状況を下図に引用しました。
世界終末時計変遷 (ウイキペディアより)
これとは全く違いますが、環境危機時計(the Environmental Doomsday Clock)という
のがありました。 こちらは、旭硝子財団が毎年実施している「地球環境問題と人類の
存続に関するアンケート」調査の回答から、人類存続危機の程度をどのように感じている
かを、時計の針にたとえて表示したものだそうです。
アンケート調査は 1992年に始まり、世界各国の環境問題の有識者に対して行なっていて、
第26回(2017年)には、29,214人中2,152人(7.4%)から回答があったとありました。
具体的に、この結果がどのように時計の針に反映されているかなどについては記述があり
ませんので、理解できませんが、こちらも、それらの危機を時計になぞらえた演出と見る
ことが出来ます。
環境危機時計は、以下の目安による回答を集計したものであるとありました。
- 0:01~3:00時⇒「ほとんど不安はない」
- 3:01~6:00時 ⇒「少し不安」
- 6:01~9:00時 ⇒「かなり不安」
- 9:01~12:00時 ⇒「極めて不安」
1992年第1回から昨年までの時刻をウイキペディアのデータから、グラフ化して以下に
アップします。時計の針が戻っている年もありますが、傾向としては、矢張り右下がり
(悪化方向)に推移しています。
環境問題ですから、京都議定書やCOP○○の動向が大きく影響しているようですね。
C0₂が重要なキーではありますが、CO₂排出だけでなく、森林保護、生態系保護など広い
範囲のアンケートになっていることを期待したいところです。
(ウイキペディアのデータよりグラフ化しました。)