今日3月6日は、二十四節気の 啓蟄 にあたり、いよいよ虫たちも動き始める
とのことですが、ここ2~3日というもの、汗ばむ陽気でした。
どうも、気象変動も 何やら激しくなってきているように感じます。
古の話題が続きますが、古来より上巳(3月3日)には、曲水の宴が行われていたのだ
そうです。とくに中国では盛んであったらしく、日本でも、485年あたりに既に宮廷の
儀式として行われていたとあります。
しかし、戦乱などで世の中が不安定になると中止されるというか、それどころでは
なくなるのでしょう。 奈良時代には、この行事は、3月3日が条例となり、主に宮中の
催しとして行われ 万葉集に大伴家持の詠んだ歌があり、平安時代は宮廷の他、貴族の
邸宅などで私的な遊びとしても盛んに行われたようです。
大宰府でも、958年頃にこの行事が始められたそうですが、その後の記録もなくその
まま断絶していたようで、 突如、 昭和38年(1963年)に福岡県、太宰府天満宮で
曲水の宴が再興されたのです。その前、昭和35年には、京都 賀茂別雷神社で再興され
るのですが中断し、平成に復活したとあります。岩手県毛越寺の曲水の宴は、昭和61年
(1986年)に「大泉が池」の遣水の遺構が復元されたことを記念して開かれるように
なったとあります。
このような流れの中の「曲水の宴」を、現在、大宰府で行われている様子を見てみ
ました。
太宰府天満宮HPから、その要点をピックアップしてみました。
現在、毎年、3月第1日曜日に開催されています。 文末のyoutube動画に紹介します
ように、平安時代の宮中行事を今に再現する禊祓(みそぎはらえ)の神事として行われ
ています。十二単をまとった姫をはじめ平安装束に身をつつんだ参宴者は、曲水の庭の
上流より流れてくる酒盃が、自分の前を過ぎる前に和歌を作り、お酒をいただくという
雅な神事です。
入場行列(大宰府天満宮)
(ネット画像より)
式次第は、ご本殿参拝、修祓の儀、白拍子の舞、神楽「飛梅の舞」、盃の儀・・と続
くのです。 観覧席も1000席設けてあるようで、大変賑わうようです。
白拍子の舞
(ネット画像より)
盃の儀
(ウイキペディアより)
ウイキペディアによれば、現在、各地で「曲水の宴」がそれぞれ以下のような日程で
行われているようです。
・3月第1日曜 大宰府天満宮(福岡県太宰府市)
・3月第1日曜 赤間神宮(山口県下関市)
・3月上旬 男山庭園(北海道旭川市)
・4月上旬 賀茂別雷神社(京都市)
・4月第1日曜 仙厳園(鹿児島県鹿児島市)
・4月第3日曜 婦中ふるさと自然公園・各願寺(富山県富山市)
・4月29日 城南宮(京都市)
・5月第1土曜 代継宮(熊本県熊本市)
・5月第4日曜 毛越寺(岩手県平泉町)
・6月上旬 養壽院(埼玉県川越市)
・10月第3土曜 浜北万葉まつり(静岡県浜松市)
世界は、内戦で多くの難民を抱える国々、貧しく乳幼児の死亡率が高い国、さらに
身近に、高齢者の貧困、認知症、ロコモなどに怯える日々にあって、たまにこのような
優雅なひとときがあっても良いのですね。