昨日3月23日は、「世界気象デー」だったんです。
ここ数日は、初夏を思わせるような日があるかと思えば、桜の開花宣言の後で、急に
粉雪が舞う真冬に逆戻りするなど、気温の変化の激しい春となっています。
思えば、最近のように100ミリを超える豪雨、ゲリラ豪雨など、以前には考えられない
ような雨量の雨が降ります。 若い頃には30ミリの大雨 なんて言っていて、この程度の
雨も珍しい感じでした。
気象は、最近なんだかおかしい? 豪雨で、必ずどこかの地域が土砂崩れ、河川の氾濫、
浸水など大きな被害が頻繁に起こっています。
地球は、じわじわとその環境が変化し、生命に対して不可避の危機に向かっているのかも
しれません。チョット悲壮すぎるようですが、この気象について、世界が戦争から落ち着い
た頃には 既に地球規模で観測し、理解し、対策を講じる組織を構築していたのです。
世界気象機関(WMO=World Meteorological Organization)です。 1873年に創立された
政府間組織である 国際気象機関 が発展的に解消して、1947年に世界気象機関条約が採択
され、1950年にWMOとして設立されたのです。
設立の目的は、『気象業務に関する国際的な調整・標準化・改善や、 気象情報の交換
促進』とあり、設立され世界気象機関条約が発効した 1950年(昭和25年)3月23日を記念
して、この日を「世界気象デー」としているのです。
WTOは、国際連合の専門機関の一つで、本部はスイスのジュネーヴにあります。 現在の
加盟構成員は、185 か国、6 領域 で、日本は1953 年(昭和 28 年)に加盟しています。
(ネット画像より)
世界の観測拠点が定められており、世界気象中枢(World Meteorological Centre; WMC)
として、メルボルン、モスクワ、ワシントンの3か所の気象局が指定され、このほか、
地域特別気象中枢(Regional Specialized Meteorological Centre; RSMC)として、この 3
か所に加えて、東京(気象庁)、ロンドン、オフェンバッハ、ローマ、カイロ、ヴエノス
アイレス 、北京など25ヶ所が指定されて協調しているのです。
気象庁が、今年、3月14日に報道発表した資料にも、まさに近年の気象の重要さが展開
されています。抜粋してみます。
『将来にわたって 世界の人口が増え続けると予想されている一方で、地球温暖化の影響
により大雨、干ばつ、熱波、寒波といった極端な気象現象の規模と発 生頻度が増大すると
予測されており、私たちはこれまで以上に気象に備え、気候変動に対応する必要がありま
す。 WMO と同機関に加盟する各国の気象機関は、気象や気候変動によるリスクから、
生命、暮らし及び財産を守ることを最重要課題の一つとし、より強靱な社会の 構築に貢献
するよう、日々の天気予報から長期的な気候予測にわたるサービスの普及に取り組んでいま
す。』
『日本においても、近年、雨の降り方が局地化・集中化・激甚化しており、社会全体で
災害に立ち向かう防災意識社会を支えるため、気象庁は、防災情報の充実・強化や関係機関
との連携等を通じた普及・啓発活動、及び気象データの利用促進等に取り組んでいます。』
『気象庁は、今後も、WMO や各国気象機関、国内 の関係省庁・機関と協力しながら、引き
続き防災や気候変動対策等の課題に取 り組んで参ります。 』とありました。
(気象庁HPより)
(的中率は向上し、予報誤差は縮小しています。)
世界気象デーには、気象業務への国際的な理解の促進を目指して毎年、キャンペーンテー
マを設け運動を展開しています。 今年のテーマは、「気象・気候への適切な備え」です。
ちなみに、昨年のテーマは「雲を解する」でした。
しかし、これらのキャンペーンに即した具体的な運動(活動)への展開については、気象
庁のHPなどを見る範囲では、具体的な事案を見つけることが出来ませんでした。
気象が、近年これほど身近に感じていて、しかも、世界レベルでその変動が大きくなり
今後においてさらに重要視されている・・とする割には、世界でのテーマ設定をそのまま、
気象庁の報道発表に掲載しているだけに留まっているようで、何とも空々しい形式的な感じ
を受けました。
このような、国民レベルの身近な活動には、注目されていない反面、企業、産業レベルで
のコンソーシアム(気象ビジネス推進コンソーシアム)作りなどに積極的で、気象データの
IOT活用などを呼び掛けていました。 これは大事なことでありますが、何やら地に足が
ついていないような感じもするのでした。
一方、1993年の気象業務法改正によって、気象庁以外の者に対する予報業務が許可(気象
予報士試験)されて以来、昨年10月現在で、気象予報士は、9,856名にのぼるそうで、テレビ
などの「気象情報」コーナーでは、多彩な“お天気キャスター”が、いろいろ工夫を凝らし
た解説をしてくれるので、分かり易く楽しみなコーナーの一つになっています。
気象予報士は、これらの報道面に携わる人のほか、経営判断のための気象情報の分析、
報道・教育等用の気象コンテンツの作成等に携わっている人が多いそうです。
今は亡き、倉島厚「お天気博士」は懐かしいですが、倉島さん時代は、気象庁の職員だっ
たのですね。