東京一極集中を緩和するため、国の機関を自治体に誘致する一弾として、文化庁を京都に
誘致したいとの京都の強い働きを受けて、‛16にその基本方針が決定しました。 昨年には、
その一部組織「文化庁地域文化創生本部」が先行して設置され、2021年度までに「本庁」を
移転することとされています。 移転先は、京都府庁敷地内の京都府警察本部本館と決まっ
ていて、現在整備が進められているそうです。
「地方創成」のモデルケースともなりますが、これを機会に、文化庁の組織をリニュー
アルして、従来の「文化部」と「文化財部」の二部制を廃止し、分野横断的に機動的対応
が出来るよう組織改編を行い、移転を見越して、この10月に「新・文化庁」が発足してい
ます。 (以下の写真、図は全て文化庁HPから転写しました。)
新・文化庁シンボルマーク
文化庁新組織
(青色が、京都へ移転。緑は先行移転済み。 赤色は、霞が関に残る。)
移転を見越した新組織では、長官以下実行担当課など約7割の職員は京都に移転します
(国際交流、著作権関係は霞が関に残る)が、霞が関と京都との分割損が当然出ますので、
次長、審議官などが増設され、新組織では22名増(253)となっています。(文化庁HPより)
既に先行設置された「地域創生本部」と「本庁」間は、テレビ会議が導入されたり、
タブレット端末を活用するなどし、さらにIOTの導入検討が進められているようです。
国の機関を地方に・・という声は、昔から上がっていましたが、ようやく一つが、実現
する運びとなりましたが、他の機関はどうなのでしょうか。 今回の文化庁移転は、文化財
の多くを集積する京都の積極的な働きかけによるところが大きいようです。移転に係わる
多額の費用負担も含めてのようです。 となれば、他の機関の地方誘致の可能性は、果た
してどの程度期待できるのでしょうか?
今年(2018年)は、1968年の文化庁創設から50周年を迎えるとあり、10月には新組織が
発足し、『各省庁にまたがる文化関連施策を「新・文化庁」が「軸」となって総合的に推進
する体制の確立を目指す』としています。
この機会に、文化庁の事業についても俯瞰してみました。 その主な(関心のある)事業
などをピックアップしてみました。
・国語、著作権、国際交流
・博物館・劇場・音楽堂などの文化施設
・文化財の調査・指定
・宗教
・生活文化振興、文化創造支援など
また、所管法人の主なものを以下に上げました。
・国立文化財機構(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)
・国立美術館(東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美
術館、国立新美術館)
・日本芸術文化振興会(国立劇場、国立演芸場、国立能楽堂、国立文楽劇場、国立劇場
おきなわ及び新国立劇場)
・国立科学博物館(上野本館、筑波実験植物園、附属自然教育園など)
このように改めて見てみますと、結構お世話になっていることが分かりました。
折しも、先日決定された『2025年大阪万博』を控えて、関西の起爆剤となれば、少しはバ
ランスが採れるかもしれませんね。