緊急事態は、首都圏・北海道とも解除されました。新聞、テレビでは街中の
情景を映し出し、どこか晴れ晴れしい感じを報じています。経済は徐々に回復
するでしょうが、自然・環境に配意した、これまでとは違った局面に移行して
欲しいですね。 先ずは、巣ごもりから一歩出てみることにしましょう。
ネットを見ていましたら、日本語不思議辞典というのがあり、いろいろと面白い
言葉の成り立ちが出ていましたので、少しずつひも解いてみようかと思いました。
順不同です。
・「ともすると」というのは、何をする?というのでしょうか? ともすると の
意味は、場合によっては を表しますね。「ともすると、失敗するかもしれない」
などといいます。
ともすると というのは、「と」・「も」・「すると」に分解して考えるのだ
そうです。「と」は「そのように」という意味の古語で、現代語では「とやかく」
の「と」などに残っています。 「も」はすぐ前の「と」を強調する係助詞だそ
うです。「すると」は、前の事柄を受けて次に起こることを言いたいときに使う
表現だとあります。 ここでは「仮定」や「条件」の意味で使われている。
したがって、「ともすると」は、「そうであるとすれば」(仮定)、「そうで
あるときは」(条件)といった意味になるのだそうです。
「ひょっとすると」「もしかすると」の「ひょっと」や「もしか」と同じような
意味合いと思われます。「とも・・」「もしか・・」は、かなり起こりそうな感
じで、「ひょっと・・」は、五分五分かもうすこし起こりそうな場合の意味でしょ
うか?
・「匙を投げる」 見込みがなくあきらめる、手を引く ともいう意味の慣用句
ですが、どうして「匙」なのでしょうか? この語源は、昔、医者が薬を調合する
ときに使う匙のことを指していて、どのように手を尽くしても病気が治る見込み
がないとき、医者がこの薬匙を放り投げて見放してしまう・・というところから
の意味だとありました。 そのことが、病気だけでなく、物事がうまくゆかなく
なって諦めるときなどにも広く使われるようになったそうです。
「匙加減」の匙も、やはり薬の調合から来ているようです。調合の程度、味付
けの程度ですね。手ごころ という意味合いもあります。
(ネット画像より)
・「やにわに」の「やにわ」とはなにか? 矢の庭 つまり、矢を射るところ、
矢場のことなんですね。 矢場の範囲にいれば、突然にして矢が飛んできたりする
ところから、「突然」「いきなり」「だしぬけに」「唐突に」の意味になったと
あります。
似たことばに「やおら」というのがありますが、こちらは、「ゆっくりと」
「おもむろに」など、動作をゆっくりと起こす状態を言っていますね。「やおら」
は「やを」を「やをやく」=ようやくの意味というのと、「やはら」=柔ら ま
たは和ら の意味から「柔らか」「おだやかな」の意味となったそうです。
矢場
(ネット画像より)
・「あわよくば」 は何がよいのでしょうか? 「うまくゆけば」「運が良けれ
ば」の意味に使われていますが、ここでいう「あわ」とは、古く、「あわい」や
「あい」と呼ばれていた「間」のことだそうです。 「あわいがよければ」=
「時間的な間(ま)がよければ」=「都合がよければ」の意味となったとありま
す。“あわよくば大金をせしめてやろう”なんて・・。
・「ぎくしゃく」 物事が円滑にすすまない様子のことを「ぎくしゃく」と言っ
たりします。その昔江戸時代に、「びこしゃこ」(びっこしゃっこ)という言葉
から変化したのではないかという説があるそうです。この言葉は「不揃いで安定
しない」「落ち着きがなく、じたばたする」などの意味があるそうです。
びこしゃこ→びくしゃく。 また、物と物がこすれるときに出る音から「ぎす
ぎす」や「ぎくぎく」と、関係が円滑でないことを言ったとも。
しかし、感覚的に自然発生的に使われた言葉なのかもしれないとの見方もある
ようです。 物事、特に人間関係などのもつれや、スムーズでない場合などによく
使われますね。 最近とみに気になる言葉かもしれません
「ぎくしゃく」は、食い違って折り合いがつかない。「ぎすぎす」は、もう喧嘩
同然にピリピリしている感じですか?