蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

「前」  (bon)

2020-05-11 | 日々雑感、散策、旅行

 先日(5/5)の記事「犬猫」で、日本語の意味の面白さのところで、金田一俊彦氏
が、「前」はさらに問題があります・・といって、『私たちの未来は、前にあるか後
ろにあるか』みたいなことに触れて、私たちが進む方向に未来があるから「前」かと
思うと、「この前」といえば、過去を指し、「この後」が未来を意味する。 などが
あり、国語大辞典を調べましたが、さらにその後、いろいろと「前」が気になって、
ネット調べをしていました。

 先の時点で調べた内容は、
①空間的な意味として、机の前、前方、手前、前後・・
②時間的な意味から、以前、前々から。前金、前後・・

でしたが、もう一つ
③接尾語として
が、ありましたが、③の接尾語にたくさんの「前」があることが分かりました。

 まったくどうでもいいことですが、以下に、それらの「前」について調べてみまし
たので、一応の分類をして並べてみました。しかし、今一つはっきりと分類できない
「前」もありますが、かまわず列記してみました。

        (ネット画像より)

 量的な意味合いから、
分け前。 これはもともと、僧侶に対するおもてなしの食膳を意味していたそうで、
一人分みたいな意味から転じて、仲間内で分け合うとの意味に。そして、当たり前
は、漁や狩などの共同作業で一人当たり分配される分を当たり前といい、それを受け
取るのは当然の権利であるところから、当然、そうあるべきことの意になったとあり
ます。当然を当前の漢字に置き換えて、あたりまえ・・などの解釈もありましたが、
こじつけのような感じもします。  一人前、も もとは、一人分との量的な意味合い
で、三人前などともいいますが、これが転じて、成人した人のことを一人前(いちに
んまえ)として量的な観点から言われているそうです。半人前はまだ若気の至り・・。
一丁前も同じ意味合いのようです。

 量的な見方以外に、男前、腕前などの「前」は、それらしいもの、一定の形を成し
ているもの、前面に出して見せるもの、人に関する語を強調する・・などの意味から
来ているそうで、男前、腕前は素晴らしい誇らしいことを指しているようです。
江戸前というのも、そもそもは、江戸城の前の海、すなわち東京湾を指していたそう
ですが、転じて江戸風のという意味になっています。江戸前にぎり(寿司)。上方に
対して言われていますね。
 気前、新前(新米)、錠前などもこの範疇のようです。

           (共にネット画像より)

 お前 というのはどういうところから? そもそもは、御前など神仏、貴人を敬っ
て言う
語であったのが、次第に敬意が失われて、今では同等か目下の者を指してつか
われているの
です。

           (ネット画像より)

 自前は、自弁、自分持ちという具合に費用を自分で持つことを言いますが、独立し
て営業し
ているさまを言うこともあるそうです。その昔、江戸時代の遊女が独立して
いるさまなどを言ったそうです。

 出前は、注文されたそれほど多くない飲食物を、注文先まで持ち運ぶことですが、
ネット
には,量を示しているとありました。注文者の御前に出向いてお持ちします‥
の意味とも考えられますが・・。

            (ネット画像より)

 最後に、建前 というのはよくわかりませんでした。語源などの解釈には次のように
ありま
した。
(要約です。)『昔、大工の棟梁が、棟上げ直前に、玄関の柱を切り過ぎて、短く
なっ
ていることに気が付いて途方に暮れていると、奥方の機転で升を使って補修して、
事なきを
得た。しかし、見栄っ張りの棟梁は、このことを誰にも知られないようにと、
奥方を殺して
しまうのです。そして、見返りに女性の七つ道具を柱の上にお祭りして
供養した。』と。 いくつかの記事にあり、出どこは一つのようでもありますが、
信じにくいお話でした。本音と建前の例でもあります。

      

 確かに、金田一先生の言われるように、「前」は問題がたくさんありました。

 

   先に揚げました名前を知らない草花は、もっと花がついてきました。
         
           (夜や雨では、花は閉じています。)

 

 

 

 

 

コメント (2)
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