今日、5月14日は「種痘記念日」なんだそうです。
1796年のこの日、イギリスの医学者エドワード・ジェンナー(Edward Jenner)が
世界で初めて種痘(天然痘ワクチン)の接種を行ったのを記念して「種痘記念日」
が制定されているのですね。
天然痘は、有史以来、高い死亡率、治癒しても瘢痕(はんこん)を残すことから、
世界中で不治、悪魔の病気と恐れられてきた代表的な感染症で、天然痘ウイルスに
よる高熱、嘔吐、腰痛があり、全身に発疹する恐ろしい感染症なんです。
その歴史は、古代エジプト時代にまでさかのぼり、4世紀以降にはアジアで大流
行したほか、16世紀以降にもたびたび感染のピークがありヨーロッパだけでも毎年
60万人もの死者があるなど最も恐ろしい感染症とされてきたのです。
それが、ジェンナーによる種痘の開発によって、その後の予防接種により急速に
天然痘の流行は少なくなり、「天然痘は1979年(昭和54年)に世界保健機構(WHO)
によって根絶が確認され、翌1980年に「天然痘根絶宣言」が行われた。」とあります。
これが予防接種の始まりだそうで、「天然痘は、ヒトに感染する物の中では、人類
が根絶した唯一の感染症である。」とされています。
エドワード・ジェンナー
(ウイキペディアより)
天然痘感染者には、あの音楽家モーツアルトや日本でも伊達政宗、コメ百俵の小林
虎三郎、吉田松陰、夏目漱石らも罹患していたそうです。
感染症は、このほかコレラ、ペスト、インフルエンザなどがありこれまでたびたび
地球を襲ってきています。
現在直面している「新型コロナウイルス」は、一昨年に発生したCOVID-19で、丸
1年半で、世界の感染者は220の国・地域に及び 累計1億5993万7千人、死者は346万
3800人(ロイター 5/12現在)に及び医療崩壊を起こしている国もあるという。
死亡者数は、アメリカ58.3万人、ブラジル42.8万、インド25.8万、ロシア11.2万
以下イギリス、イタリア、フランス・・と続きます。
日本でも現在、第4波にあり変異種の増加で再び感染急拡大状況にあります。
5/13現在の感染者数累計は 66万6851人、死亡者は 1万1302人(NHKネット)です。
緊急事態宣言や時短営業など声高に叫ばれていますが、いままた急拡大傾向にあり、
すでに医療現場が逼迫している地域が出ている状況です。
一日も早いワクチン接種の実施が、これらの状況を救済する唯一の方法かもしれ
ません。
ワクチン接種状況を見てみますと、ワクチン接種を少なくとも1回実施した割合は
下図(NHK特設サイト)のとおり、残念ながら日本は最下位にあります。G7の中では、
はるか離された最下位で、日本の弱さ(力のなさ)が浮き彫りされているようです。
(NHK特設サイト 5/13 より)
日本国内でのワクチン接種状況(NHK特設サイトより)は、5/7時点での医療従
事者は61%、高齢者は1%未満で進んでいません。報道などを見ますと、ワクチン
は確約されたとか、集団接種会場を設営したとか、力強い言葉が飛び交っている割
には実行がはかどっていないのではと腐心されます。
都道府県ごと高齢者の接種では、東京2万650人、大阪15270、山形11957、和歌山
11757、愛知11570、福島10136 が1万人以上で 以下石川、神奈川、広島、兵庫・・
と続いています。 私の住む埼玉は、20番目以下のようですね。未だに、接種案内
すら届いていない状況です。
テレビなどの報道では、接種予約がスムーズに行っていないようで、電話を3日間
もかけていたとか、ネットも繋がらない、どうすればよいかオロオロしている高齢
者、予約支援サービスがあちこちで行われ始められたとか・・まったく混乱を呈し
ていますが困ったことですね。
種痘記念日にあたって、新型コロナを振り返ってみますと、脆弱な部分ばかりが
浮き出てきたような感じがしました。
新型コロナウイルス感染状況(ロイター)
https://graphics.reuters.com/CHINA-HEALTH-MAP-LJA/0100B5FZ3S1/index.html
混乱を報じるテレビ
東京1010人感染 ワクチン接種を巡る“混乱”も(2021年5月13日)