♬ 夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る あれに見えるは茶摘みじゃ
ないか あかね襷にすげの笠 ♬ (文部省唱歌)
昨日(5/1)は、八十八夜でした。立春から数えて88日目が八十八夜で、5月1日
か2日が当たります。 八十八夜は、雑節の一つですが、旧暦では季節感が分かり
にくく、特に農業を営む人々には、春先の霜がどうなのか大変気になるところでし
たので、これを暦の上で分かりやすい目安としていたのでしょう。
昔から八十八夜の頃の霜を「八十八夜の別れ霜」と呼び、これ以降は霜が降りず、
気候が暖かく穏やかになると言われていますが、「九十九夜の泣き霜」という言葉
もあるように、5月半ばごろまで泣いても泣ききれないほどの遅霜の被害が発生する
地方もあるといいます。
霜注意報などと聞いてもピンとこなかったのですが、蓼科農園を始めて以来、こ
の霜が農家にとって大変なことだと体験したのでした。 蓼科農園では、八ヶ岳に
雪がなくなる頃、が霜の心配がなくなるといわれているそうで、私たちもそのこと
を見習って、サツマイモの苗の植え付けは、大体5月下~6月初め(農園は、標高
1000mの高原なので)八ヶ岳の雪が消えるのを確認して作業をしていましたが、あ
る年、折角植え付けたサツマイモ苗が一夜にして霜に撃たれて葉が黒ずんでしまっ
たことがありました。
(ネット画像より)
歌にもありますが、この頃、茶摘みが盛んになり、今では、機械で積むのでしょ
うけど、一番茶などは手摘みされているところもあるとかですね。 新茶の予約販
売があり、2~3月頃に注文します。新茶の香り、トロっとした甘い口当たり、何と
も幸せを感じる時ですね。
(ネット画像より
お茶で思い出しましたが、抹茶の定番の一つに『初昔』(はつむかし)というの
があります。初昔というのは、茶摘みの最初 の日に摘んだ茶葉で製した抹茶の銘
ですが、本来は、小堀遠州が従来の白みを帯びた色の茶のことをいうとありました。
また、一説に「昔」を「廿一日」の合字として、八十八夜前後の21日の間に積ん
だ茶葉を前を初昔、後を後昔 (のちむかし)としているなどもありました。
ベランダの緑 と ミニバラ
昨日は、宵の口から広い範囲で雷雨となったようでしたが関東でも激しい雷があ
り、大粒の雨となりました。夜半には止んでいて、今朝はさわやかなお天気となり
ました。ゴールデンウイーク!
木々の緑は生き生きと輝き、花々も次々と咲き移ろい暖かな大変良い季節を迎え
ています。 というのに、昨年もそうでしたが長引くコロナ禍は、人々を、社会を
貶め、この第4波では、変異種による感染急拡大と共に重傷者の急増で医療現場が
逼迫している地域が出てきているという、まさにこの季節を逆なでしているかの様
相を呈しています。
沸き立つ心も、見えない敵に抑え込まれ、観光地、遊園地も、繁華街も大きなダ
メージを受け、人々の精神を長期間にわたり圧迫してきたこの惨禍を何とか沈静化
できないか。 ワクチン接種の浸透を待つしか術はないかもしれませんが、尚もう
一歩の配慮が求められているでしょう。
レモンの花
当ブログに、これまでに2度('12、'17年に)同じタイトルで記事アップしてい
ますが、いずれもウキウキとした季節の到来を告げているのに、この2年間はかくも
陰鬱な八十八夜となってしまいました。
早く、以前のように普通に暮らしたいものです。
文部省唱歌 茶摘み