1998年公開の映画です。 先日BS1で放送されたのを観ました。
第4回坊っちゃん文学賞を受賞した敷村良子の同名小説の映画化で、監督、磯村
一路、主演は新人、田中麗奈(キネマ旬報日本映画新人女優賞受賞)とあります。
昭和50年(1975年)頃の、四国・松山を舞台に、ボートに青春をかけた女子高生
たちの姿を明るくみずみずしく描いた青春ドラマです。 私も学生の頃、漕艇部
(ボート部)にいて厳しくも楽しい練習を経験していますので、そんな思いも込めて、
当時の自分に重ね合わせる部分もあって、懐かしく観ました。
(Filmarksより)
映画では、女子高生のボートで、ナックルフォア(4人漕ぎで、コックスの計5人)
を対象に、すでに廃部になっていた伊予東高校のボート部を、以前からあこがれを
持っていた一人の少女が入学するや、先生に直訴したりしながら、メンバーを集め
創部にこぎつけるのです。
初めのうちは、未経験者ばかりで、ボートの運び方もぎこちないくらい、ましてや
オールさばきなどなっていなかったところに、現役を引退した経験者がコーチについ
てくれ、必死の練習を重ねるのです。
夏合宿を経た、新人戦は殆ど戦いにならなかったが、元日本選手権メンバーの一人
を、女子コーチとして付けてくれた。ところが、このコーチはあまりやる気がなく、
トレーニングメニューを渡す程度で、チームは相変わらず自分たちで何とか練習を
重ねる日々となるのです。
ある時、メンバーのリーダーが腰を痛めて療養していて、新入部員がその穴埋めを
している頃、療養中に、コーチに自らのボートにかける思いを打ち明けたことで、
コーチは思い直し、特訓を始めるのです。 夏休み期間も猛練習に励み、東校女子
ボート部は、順調に決勝戦まで勝ち進んでいた。彼女たちの士気は益々奮い立ち、
応援も一緒になって頑張ってくれている。『ひがし高、がんばっていきまっしょい!』
の声援にメンバーはさらにがんばるのでした。 しかし、決勝では、わずかの差で
負けてしまうのです。
(シネマNAVIより)
艇庫の掃除を終えたメンバーは、来年最後となるシーズンに向けて自身にエールを
送るのでした。
実写の映像が多くあり、懐かしさもあって楽しく鑑賞させていただきました。
ここで、少し専門的な解説を以下に記しておきたいと思いました。
〇ボート(漕艇)の形に、2種類あります。映画で出ているナックルというのは、
艇の底の形が拳(ナックル)になっていて安定性がよく初心者向けといわれ、日本
だけの種類です。この他、シェル艇というのがあり、こちらは底が貝殻(シェル)状
につるっとしているところからこのように呼ばれています。ナックルは、漕ぎ手が
4人が普通で、ナックルフォアとよばれ、シェルの方は、漕ぎ手が4人、8人などが
あって、シェルフォア、シェルエイトと呼ばれています。これらには、コックスと
呼ばれる舵手が一人います。
〇スカル スカルとは、両手に1本ずつオールを持って漕ぐ艇の種類で、1人乗りは
シングルスカル、2人乗りはダブルスカル、4人(コックスを入れて5人)はクオド
ブルと呼ばれます。これに対して、両手で1本のオールを持って漕ぐ艇をスウィープ
タイプといいます。エイト(漕ぎ手8人+コックス)もスウィープタイプの艇で、
ボート競技では最大の人数で、最も高速となります。「舵手(コックス)付きエイト」
の略称です。
〇まとめ ナックルフォア、シェルフォア、ペア、エイトの種目は水を漕ぐオールが
すべて1人1本(片方)です。また、シングルスカル、ダブルスカル、クォドルプルは
水を漕ぐオールがすべて1人2本 (両方) です。
〇レガッタ ボート競技のことです。
学生時代、ボート部だった私は、シェルエイトの選手で、7番を漕いでいました。
船首から、バウ、2番、3,4,5,6,7番ときて、整調(ストローク)で8人(エイト)
そしてコックスの計9人のチームです。夏休みなどは勿論合宿ですが、試合が近づくと
学校に行くのではなく淀川(堂島川)の川べり(桜ノ宮)にある艇庫に行く毎日でしたね。
若き日の(私の)練習風景 写真で8本のオールの右最手前が私
琵琶湖周航の歌1~6番