早暁4時になっても気温が下がらず暑苦しい日々が続いている。いつまで続くこの酷暑、、と愚痴の一つも言いたいところである。そんな想いで今日も早朝散歩に出かける。凪の日でも多摩湖に近づくと心地よい涼風が迎えてくれるのが有り難い。
堰堤を歩くのは、皆今日の健康を確かめるかのように爺と同じく高齢者が多い。挨拶を交わしながら行き交う中で、声を掛けても無言で過ぎ去る方もいる。いつものことながらちょっと気になる。
【語り部】78年前に敗戦し、戦後の大きな変化とあの苦難に充ちた生活などの日々を爺史の記録として思い起こし、しばらくは記してみよう。
農地改革 農地改革は、長い歴史の中で続いた地主制度を戦後GHQの命令で改め、小作人として働いていた人々を自作農として独立させる制度である。農村の民主化に大いに役立った制度であった。
=だが、我が家ではこんなエピソードがあった。=
叔父が「せな!!〇〇窪の田んぼ取られたよ」と血相を変えて父に話しているのを子供心に強く印象に残っている。注 田舎では長兄のことを弟たちは「せな」と言っていた。父は何れ叔父を分家に出す計画であったので、当分の間、耕地を持たないKさんにその田を貸していたのである。これが農地改革による我が家の出来事であった。命令とはいえ父などは残念がっていた。大きな正流の中でも小さな矛盾もあったのであると今でも思う。