ELEVEN HOUSE

北海道だ~い好き❤バイクはカワサキ☆クルマはレクサスCTとタウンエース(キャンカー)とジムニー☆キャンプと鉄道も好き

2012.11 紅葉を求めて日帰りツーリング(岐阜県東濃地方)

2012-11-17 23:54:00 | ZRX1100・1200ダエグの部屋

<11月10日>
豊田~根ノ上高原
 紅葉の季節がやってきた。豊田周辺はまだ少し早いが、岐阜県東濃地方の標高の高めDscf1841 の所へ行けば、きっと山々が赤や黄色に染まり、美しい景色が見られるだろうと思い、妻と二人、2台のバイクで日帰りツーリングに出かけた。
 朝9時40分、風はやや強めだったが、天気は快晴。ツーリングにはいい朝だ。トップケースに折りたたみの椅子とおにぎりを積み込み、豊田の自宅を出た。
 秋のツーリングは標高が上がるとかなり寒くなる。今回は、ヒート素材の上下のインナーに、上はTシャツとトレーナーに春秋用ツーリング・ブルゾン、下はインナーの上はジーンズだけ。東海環状道・豊田松平ICから30分ほど高速道路を走ったが、寒くはなかった。
 瀬戸品野ICを出て、R363で瑞浪方面へと走る。木々のトンネルのようなヘアピンカーブの坂道を一気に登ると岐阜県に入る。そこからしばらくは高原道路の様相となり、なだらかな山の間をのんびりとバイクを走らせることができる。道路端の気温表示は10℃~12℃。愛知の冬の気温だが、暖かい日差しのせいかまったく寒さを感じない。適度な涼しさが心地よいくらいだった。土岐から瑞浪にかけてのR363は、やや広めの対向2車線の国道だ。ゆるやかなカーブと直線でつながっている。右手の山々の山肌に所々見える赤や黄色が美しい。
 恵那市に入った辺りで、国道を外れ、県道405号、33号を通って、混雑していそうな明知の市街地を避けた。明知は大正村として有名で、大正時代の街並みが保存されている。紅葉の時期の明知は案外混み合うものだ。
 明知鉄道山岡駅の近くでコンビニに入った。家を出てほぼ1時間が過ぎたが、たった1時間で早くもトイレに行きたくなってきたのだ。せっかくだから、お昼のおかずとしてから揚げとソーセージのパックと厚焼き卵を買い、再びR363に合流した。
 女城主の山城として有名な岩村城のふもとを通り過ぎると、ほとんどのクルマやバイクはR257へと向かって行った。僕たちはそのままR363を中津川方面に走り続けた。実は、地図やネットの情報では、R363は峠の根ノ上高原を越えると中津川側は酷道と言われる1,5車線以下の大変な道になるらしいのだ。それでも、バイクならなんとかなるだろうと思い、Dscf1829 根ノ上高原に向かった。
 峠から国道を少し外れた所に根の上高原があった。湖が見えた瞬間、湖を囲む森の美しさに思わずヘルメットの中で「わあ~」と声を出してしまった。
 駐車場にバイクを止め、妻と湖の方へ向かおうとしたら、すぐ下の高さ30㎝ほどの所に電線が張ってあり、イノシシよけに通電中の表示。たった30㎝でも、感電するかもと思うと怖いものだ。
 しばらく湖とその周りの景色を眺めた。青く澄んだ湖と、その周りの山々の紅葉と、紅葉Dscf1832 が映る水面と、その美しいこと。行楽客の少ないひっそりとした高原だが、つくづく、来てよかったと思えた。

根ノ上高原~夕森公園
 次はいよいよ酷道と称される悪路の走破だ。林の道を戻り、R363に入って中津川方面に向かった。山の斜面の狭い道だった。1,5車線どころか、1車線しかなく、タイトなブラインドコーナーが連続する下り坂だった。瑞浪側の広めの道でもほとんど対向車とすれ違うことがなかった理由が分かった。
「こんな道で前からクルマが来たらどうにもならないなあ。」
と思った瞬間、ゆっくりとブラインド・コーナーを曲がった目の前にハイエースが。思いっきりブレーキをかけて左に寄るがスペースがない。滑りながらバランスを崩し、あとはどう操作したか覚えが無い。ただただ「ぶつかる!落ちる!転ぶ!」と思って必死になってハイエースの側面と土手の法面の間の狭いダートを左右に振られながら切り抜けた。
 左足がつってしまって痛い。とにかく、ぶつかりもせず、転びもせず、落ちもせずに通り抜けることができた。きっと顔は引きつっていたと思う。こういうのは心臓に悪い。もう二度とR363の峠の東側は走らないと心に決めた。
 その後もしばらく1車線しか無いタイトコーナーの連続する山道は続いた。それでも、その後の酷道は案外冷静に走れた。何があっても切り抜けられるというヘンな自信がついたものだ。たまにある10mにも満たない短い直線部分になると、足を伸ばしたり、立ち上がってみたり、足のつったのを直しながら峠をくだった。
 中津川市街に入り、信号で止まった時、
「絶対ぶつかるって思った。」
と、妻。
「オレもそう思った。」
「だって、(指で10㎝足らずを示し)こんだけしかなかったもん。めっちゃくちゃバランス崩してたよ。」
「すっげぇ怖かった。」
 それにしても、妻こそ、あの狭い隙間をどう切り抜けられたのだろう。さすがに、あの時はミラーに目をやる余裕はなかった。
 中津川市街でR19に入った。混雑した幹線道路を、この時ばかりは「走りやすい」と感じてしまった。市街地を過ぎると、ツーリング気分が満喫できる木曽路の国道になる。右に折れDscf1833 ると中山道馬籠宿、その先を左に折れると下呂方面に向かうR257。
 R257に入ってすぐの所にあるのが道の駅「きりら坂下」だ。近場だが、いつもはR19をそのまま北に向かって走るので、僕にとっては初めての道の駅だ。駐車場が大型スーパーと共用のせいか、とても混み合っていた。のんびりできる雰囲気ではなかったので、トイレをすませ、スタンプ・ノートにスタンプを押し、すぐに道の駅を出た。
 次の目的地は、この先にある道の駅「五木のやかた・かわうえ」と、さらにその奥の夕森Dscf1838 公園だ。県道3号線で北に向かうと、右手の山々が緑の中にところどころ鮮やかな赤色が混じっていて美しい。こうしたのどかな道は走っていていい気持ちになるものだ。
 「きりら坂下」からわずか数㎞で次の道の駅に着いた。スタンプを押し、お弁当を食べるのにちょうどいい場所を探した。すぐ脇には川が流れている。その向こうには低い山々が連なっている。駐車場の柵の外側の川縁に椅子とテーブルをDscf1836 出し、準備をした。
 針葉樹が多いのか赤や黄色はまばらだが、秋らしい景色を眺めながら食べるおにぎりの味は格別だ。ただ、背中に当たっていた日差しが時間が経つとともに山陰になり、だんだんひんやりとしてきた。
 お腹がいっぱいになり、いよいよ今日の目的地の夕森公園に向かった。県道3号から411号へとさらに北に向かうと、すぐに夕森公園の看板があった。右側の川の両側のもみじが真っ赤に染まり、ここだけは本格的な秋になっていた。
 夕森公園は、僕が小学校3年生の時に、初めて父にキャンプに連れてきてもらった公園で、しかも、中学校の野外学習でも来ている。父といっしょに来た時は、中央本線はまだ蒸気機関車が走っていて、トンネルに入るたびに一斉に窓を閉めるのがおもしろかったことが印象に残っている。それに、トロッコ列車にも乗ったし、本格的な滝を見たのも初めてだった。その滝の絵を夏休みの宿題で描いて金賞をいただいて大喜びしたことも心に残っている。中学2年の野外学習では、夜の肝試しでお化け役でみんながやって来るのを待っているうちに怖くなってしまい、みんなが来たら駆け寄ってしまった思い出がある。夕森公園に来たのは、それ以来のことだ。
 真っ赤なもみじの次は展示されたトロッコ列車が迎えてくれた。高い所にモニュメントのように展示されていて、通り過ぎる時には心が躍った。駐車場にバイクを止めると、一目散に思い出の川に向かって歩いた。妻は、川縁のまっ赤なもみじを僕がすぐにでも見たいと思って急いだと思ったようだ。対岸に渡る橋の上で、僕は思い出話を妻に聞かせた。さっそく思いDscf1839 出の滝に行こうということになった。滝の名が竜神の滝というのを初めて知った。バンガローの並ぶキャンプ場を通り抜けると竜神の滝があるはずだが、思ったよりも遠い。結局、滝を見ないで引き返すことにした。小径を歩いていても、子どもの頃に泊まったはずのキャンプ場がどんなだったのかまったく思い出せない。滝を見なかったことより、思い出のキャンプ場を思い出せなかったのがくやしかった。ただ、真っ赤に染まるもみじは、僕たちを満足させるのに十分な美しさを見せてくれていた。

夕森公園~豊田
 地図を見ると、近くにある夕森荘で日帰り入浴ができると書かれていた。夕森荘の入り口Dscf1843 にも「露天風呂」の看板があったので、バイクを止めて中に入ろうとした。ちょうど宿の人が出てきたので尋ねてみると、「今は、やってないですよ」とのこと。ちょっと残念だっかが、帰りの時間を考えるとのんびりと温泉に入っていられるほどの余裕もなかった。温泉には入れなかったものの、思い出の場所で真っ赤なもみじが見られたことで、特に後ろ髪を引かれる思いもせずに、夕森公園を後にした。
 あとはひたすら帰るだけだ。それでも、東濃界隈を走っているうちは十分紅葉の美しさを味わいながら走ることができる。
 県道411号を走り、真っ赤なもみじを見て、再びモニュメント化されたトロッコ列車の気動車を見て、山々の絨毯のように染まった紅葉を楽しみ、もと来た県道3号交差点まで来た。県道3号は、西に向かえばR256と合流する。適度なコーナーの続くのどかな自然に包まれた県道も、今回のツーリングに求めてきた秋を感じる道そのものだった。気温も17℃まで上がっていて、快適な走りを楽しむことができた。
 R256に入って南に向かった。国道にしては交通量も少ないローカルな田舎道だ。R256からR257に名を変えた福岡のJAの近くに日帰り温泉があったが、この時期は日が短くすぐに気温が下がってくるので、のんびりと温泉に浸かっているより家路を急いだ方がいいだろう。福岡の温泉は次回にとっておくことにし、さらに南に向かって走り続けた。中津川市街までの10数㎞は県道3号と同じように、緑の中にふわっふわっと赤や黄色が混じった山々を眺めながらのんびりと走った。ただそれだけなのに、バイクだと常に空気を感じているせいか楽しくてたまらない。これがクルマだったら密閉された空間の中で次のポイントまでを過ごす単なる移動の時間になる。バイクは移動中でさえ楽しいのだから、クルマ好きの僕もなかなかバイクから離れられないのだ。
 以前は有料道路だった城山大橋が無料化されていた。この橋の上から眺める木曽川は絵はがきにしてもいいくらい美しい。豊かな緑に囲まれているせいか、川の色が濃く鮮やかに見える。景色を楽しむためにゆっくり走って橋を渡る。時計に目をやると、すでに3時を回っている。寒くなる前の4時半くらいには家に着きたいと思っていたが、このペースなら大丈夫そうだ。休日の中央道も、まだこの時間ならそれほどクルマの流れは悪くはならないだろう。
 中津川市街地に入ると、混雑する幹線国道のR19を走ることなくインターに入る事ができた。高速道路の流れもよく、快適な高速走行を楽しみながらバイクを走らせる。
 途中、屏風山PAでトイレ休憩にした。トイレをすませて妻を待つと、トイレから出てきたDscf1844 妻が、
「今日、おいしいコーヒーを飲んでないじゃん。」
と言う。そう言えば、缶コーヒーしか飲んでなかった。僕は缶コーヒーでも十分だが、妻の言葉で急に僕もおいしいコーヒーが飲みたくなってきた。「コーヒー・ルンバ」の曲に合わせてコーヒーを煎れてくれる自販機でモカとキリマンジャロを買い、バイクの駐車場に戻った。パーキングに着いた時は僕たちのバイク2台だけだったが、タンデムの夫婦のバイクが1台、ソロのおじさんのバイクが1台増えていた。僕たちはバイクの近くの石に腰掛け、温かいコーヒーを口にした。
 話題が酷道363での危なかった出来事になった時、妻が、
「私、タイヤを換えたら、走りがすごくなめらかになったみたいな気がする。」
と言う。2週間前に標準のタイヤから僕のお薦めのミシュラン・タイヤに替えたばかりだ。妻がその違いを実感できるくらいなので、ミシュランの優れた性能は確かだと思う。そして、
「私のバイクの特性かもしれないけど、ハンドルを切ったより小回りする感じがする。」オーバーステアぎみの方がコーナリングしやすく感じるものだ。CB400SBが運転しやすいというのも、こうした特性からなのだと思う。妻は、自分ではまだまだヘタクソと言っているが、十分ベテラン・ライダーになっていると思う。
 屏風山PAを出てからはひたすら高速道路を走り続けた。秋の空気が心地よい。土岐JCTで中央道から東海環状道に入る。制限速度が80㎞から100㎞へと変わる。20㎞ほどペースアップをする。単調な高速道路も、中央道や東海環状道は僕たちにとってはドライブやツーリングでしか走らない道だ。だから、走っているというだけで、充実した休日を過ごしているような気分になれる。
 長い猿投山トンネルを抜けた頃には、すっかり陽も傾き、ひんやりとした空気に変わってきた。屏風山PAでのんびりと休憩を入れたにもかかわらず、走行ペースがよかったので予定通り4時半過ぎには豊田松平ICを出ることができた。
 インターから家まではわずか5分ほどだ。途中のコンビニで明日の朝食のパンを買い、薄暗くなった5時少し前に家に着いた。
 秋色に染まった山々、澄んだ空気。酷道363でめずらしくヒヤッとした思いをしたが、それを忘れてしまうくらい秋を十分に味わうことのできるツーリングになった。

コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする