相模原市南区下溝に四季の花が絶えない「県立相模原公園」はある。今、「ハナショウブ」が見頃となった「水無月園」の一画に一本の「ナツツバキ」(夏椿)が名の通り椿に似た白い可憐な花を数十輪咲かせている。福島及び新潟以西の本州、四国、九州に分布するツバキ科の落葉樹。花名のとおり、今の時期に「ツバキ」に似たすっきりした白色の5弁花を咲かせる。山地の林内に自生するが、新緑、紅葉、幹の様子が美しく、シンボルツリーとして玄関等に植栽されることが多い花である。日本以外では韓国に自生が見られる。「ナツツバキ」は仏陀がその木の下で入滅したとされ、平家物語の一節に登場する「沙羅双樹」と混同されたため寺院に多い花木である。(2406)
大和市深見に延喜式内社で千五百年を超える由緒ある「深見神社」は鎮座する。江戸時代の「新編相模国風土記稿」には別名で「鹿島社」(鹿島さま)と記されている。また延長5年(927)の「延喜式神名帳」に「相模国の延喜式内社十三社」の内の一社(小社)と記載されている。創建は不詳であるが、総国風土記によれば雄略天皇22年(478年)の創祀と伝えられ1500年を超える由緒ある古社で朝廷をはじめ、歴代國司より奉幣の事が記してあり、更に醍醐天皇の御代に制定された延喜式神明帳に相模國十三座の社と定められ官社として扱われて國幣を奉られたとある。渋谷荘の鎌倉武士・渋谷重国、源頼朝、太田道灌、小田原北条家、武田信玄と名だたる武将らの信仰を集めた。主祭神は淤加美神(又は闇龗神)、武甕槌神、建御名方神。大和駅と瀬谷駅のほぼ中間の踏切を渡ると先ず「一の鳥居」が構えられ参道を進むと左手に神域が広がっている。市の指定重要文化財の社号標(石碑)に「相模国十三座之内深見神社」と刻まれている。正面に昭和16年(1941)に再建、神明造様式「本殿」がある。右に社務所がある。「本殿」左側に御倉稲荷神社、靖國社が祀られている。その横に樹齢4~500年、樹高43mの「なんじゃもんじゃの木」(ハルニレ)の御神木が聳えている。(2405)