町田市忠生に多摩丘陵の典型的な谷戸の地形を生かして造られた「忠生公園」はある。現在の公園面積8.1ha。昭和52年(1977)に第1期区域が開園。その後公園を拡張する形で半分以上は谷戸の自然をそのまま残した自然観察園として平成9年(1997)に第2期区域を開園した。園内に子供広場」、「花見の広場」、「展望広場」や「運動場」(ソフトボール)、自然観察センター「忠生がにやら自然館」などがある。12/3に一番花が開花したという「がにやら自然館前」に造られた蠟梅苑に一歩足を踏み入れると主役たちが放つ甘い芳香、香水の様な匂いが漂ってなんとも心地よい。当園は町田では一番多い合計80本の蠟梅の木が植栽されている。種類は花の中心に紫褐色の斑が入らず透き通るような黄色一色の「ソシンロウバイ」と花の中心に紫褐色の輪が入る「マンゲツロウバイ」、「ワロウバイ」が植えられている。和名は「蝋梅(ラーメイ)」からきている。花の色や光沢が蜜蝋を連想させ、臘月(陰暦の12 月)に花が咲くことから名付けられた。梅の字が入っているが梅ではなくロウバイ科 / ロウバイ属の落葉低木である。英名では「Winter sweet」と呼ばれる。一株一株、一枝一枝、ひと花ひと花が美を香りを主張しているかのようである。古くから和歌や画題にもされてきた魅力に満ちた花。これだけ多くのロウバイが一斉に咲き揃うと苑一帯は黄金色か琥珀色に輝きまるで後光がさしているような高貴な美しさである。(2501)
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