奈良市秋篠町の森の中に勅願寺(光人天皇)の一つ奈良時代最後の官寺「秋篠寺」がある。奈良時代末期の創建で本尊は薬師如来である。「東門」から自然に包まれた境内に入ると木立の下は緑の絨毯を敷き詰めたように苔むしている。鎌倉時代に再興された「本堂」(国宝)、和洋仏堂は代表作の一つとされさほど装飾もなく簡素だが古都の名刹寺院としての風格と安定感のある優美な姿で気品に満ち溢れている。屋根は寄棟造り、本瓦葺。本堂に25体安置されている仏像の中で特に著名なのが諸技諸芸の守護神として多くの人に慕われている「技芸天立像」が一番左側に見守るかのように優美な写実性、天のような微笑、優しい眼差しで立っておられ、その造形は参拝者の心を惹きつける。境内には「大元堂」、「開山堂」、「霊堂」などの伽藍で形成されている。また秋篠宮殿下(礼宮様)の宮号はご結婚式後、陛下から歴史ある皇室ゆかりのここ秋篠の地名を賜ったことに因んでいるようである。(1202)。
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