熊本市のほど近く「熊本空港」の北側に位置する人口4万3000余りの菊陽町は今、半導体バブルの真っ只中にある。キャベツ人参畑が広がる東京ドーム4.5個分=20万㎡超の敷地面積は「TSMC」の巨大な新工場(第一と第二工場)が着々と完成、進行中である。投資額は日本円で約1兆3千億円、半導体ファウンドリー世界最大手の「台湾積体電路製造」(TSMC)は熊本菊陽町に設立、建設を進めていた子会社「Japan Advansed Semiconductor Manufacturing」(JASM)の第1工場は2月24日に開業させ開所式が行われた。「JASM」には「TSMC」のほか「ソニー半導体」、「デンソー」、「トヨタ自動車」が出資している。第2工場は今年末に建設を開始し、2027年末からの運営開始予定である。工場造成エリアは阿蘇山の山裾から緩やかに広がる平野で幹線道路の両側は田畑が広がる長閑な地域に昨年来、そんな景色に“異変”が起きている。町を通る国道の北側に位置する雑木林の中からあちこちに20~30数本もの建設用クレーンが天に触手を伸ばすかのようにそそり立ちなんとも異様な光景である。ここ菊陽町周辺の土地は次から次に買い漁られこの半導体バブルともいうべき現象で地価は急高騰中である。中には億万長者となった人も数名いるとか。また人口も増え「JASM」の従業員1000名超え(将来的には3700名)が働くという。また豊肥線は通勤ラッシュ、町の中心部にある無人駅にも関わらず「原水駅」は周辺で働く通勤客であふれ、首都圏の通勤ラッシュさながらの光景が見られた。また駅からはセミコン通勤バス=JASMまで出るようになった。朝夕の通勤ラッシュの時間帯、菊陽町の主要道路である国道443号や県道は軒並み車で埋め尽くされるほどの大渋滞だった。「JASM」以外にも「ディスコ」が昨年7月、開発拠点を開設、「東京エレクトロン九州」は菊陽のお隣合志市に開発用の新棟を建設中で今年秋の完成を予定する。地価が安い、物流の便がいい、地下水が豊富な熊本菊陽町に白羽の矢が立ったが果てして将来どのように進展していくのだろうか?(2403)
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