相模原市中央区田名塩田に歴史公園「史跡田名向原遺跡公園」と「田名向原遺跡旧石器時代学習館」(旧石器ハテナ館)がある。区画整理事業に伴う発掘調査時の平成9年に後期旧石器時代末(約20,000年前~18,000年前)の遺跡建物跡と推定される遺構(住居状遺構)が発見された。現在のところ我が国で最古の部類に入るという貴重な遺跡であることから、平成11年(1999)に国の史跡となった。平成19年(2007)に歴史公園「史跡田名向原遺跡公園」が造られ、園内の野外展示内容は旧石器時代の「住居状遺構」、「縄文時代の竪穴住居」、「古墳時代の小円墳」と約2万年前の川原石で囲まれた直径10m程の円形の範囲には「12本の柱穴や2か所の焚き火跡」である。ここからは石器製作を思わせる「石器片」と大量の「石片」が発見、出土した。多量に発見された「石槍」などは長野県や伊豆、箱根等の黒曜石で作られており、遠隔地との交流があったことを伺わせる後期旧石器時代の生活の一端を示す遺跡である。出土品は現在「田名向原遺跡旧石器時代学習館」(旧石器ハテナ館)に展示されている。相模川左岸の比高11メートルの低位段丘上にある本遺跡はやはり生活水も重要なファクターだったように思われる。後期旧石器時代末の生活の一端を示す遺跡として後世残しておきたい遺構である。相模原にはもう一つ史跡国指定の縄文時代中期(約5000年前)の大集落跡「勝坂遺跡」がある。(2009)
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