女子高生信乃が、夏休みの家庭教師をすることになった超美少女小4芽理沙と、芽理沙が別荘の納屋で密かに飼う大人の目には見えず動物・人間の死体を食べる怪物モーリスの秘密を共有しながら、次々と起こる関係者の死と死体の消失事件に巻き込まれるミステリー小説。
モーリスの名はモーリス・センダック作の絵本「かいじゅうたちのいるところ」のイラストの怪獣に似ている(黄色い目、大きく裂けた口、干し草のような髪)ところからだそうです。
高校生少女と小学生少女、怪物の心情交流の物語と、殺人事件ミステリーが交差して展開されますが、どうしてもミステリーの方がストーリーの柱になり、モーリスは攪乱要因の性格が強くなって、私としてはちょっと不満足。それからミステリーで犯人候補を増やすために登場人物を増やし過ぎて物語としては焦点がぼける感じもします。ミステリーとしてみると、モーリスという不思議な生物の存在での攪乱がなかったら、トリックとしての工夫も乏しい感じですし。
殺人事件がらみにしないで、不思議な怪物と少女の心情と成長、友情のお話で進めた方がよかったように思います。そっちの方が思春期にかかる少女の思いと成長を美しく描けたのではないでしょうか。

松尾由美 理論社 2008年6月発行
モーリスの名はモーリス・センダック作の絵本「かいじゅうたちのいるところ」のイラストの怪獣に似ている(黄色い目、大きく裂けた口、干し草のような髪)ところからだそうです。
高校生少女と小学生少女、怪物の心情交流の物語と、殺人事件ミステリーが交差して展開されますが、どうしてもミステリーの方がストーリーの柱になり、モーリスは攪乱要因の性格が強くなって、私としてはちょっと不満足。それからミステリーで犯人候補を増やすために登場人物を増やし過ぎて物語としては焦点がぼける感じもします。ミステリーとしてみると、モーリスという不思議な生物の存在での攪乱がなかったら、トリックとしての工夫も乏しい感じですし。
殺人事件がらみにしないで、不思議な怪物と少女の心情と成長、友情のお話で進めた方がよかったように思います。そっちの方が思春期にかかる少女の思いと成長を美しく描けたのではないでしょうか。

松尾由美 理論社 2008年6月発行