医師の立場から熟睡するための条件と睡眠の効用を説明した本。
まるで「ドラえもん」ののび太のようなタイトルは、著者自身、本文でも「5秒間入眠も・・・工夫をこらし、条件さえ満足させれば、誰にだって可能になる」(44~45ページ)と書いていますから、出版社が勝手につけたのではなさそうです。
たぶん、細切れに執筆したものと思われ、同じことの繰り返しが多く、読み物としての流れが悪く、軽い文章の割に読みにくい感じがします。前半では8時間睡眠には根拠はないと短時間熟睡を勧めながら、後半では脳のためには熟睡5時間が必要でそのために睡眠は最低7時間必要と言ってみたり(168ページ)。
そういうところから雑な作りの本だと感じますが、面白いことがけっこう書かれています。眠る態勢にするためには副交感神経が優位の状態にすることが大切だということが強調され、意図的に副交感神経が優位の時の体の状態、例えば瞳孔の収縮、毛細血管の拡張などを作り出すことで眠気が訪れるとしています。眠れないときは暗くするよりむしろ明るい光を見続けることで瞳孔が否応なく収縮し副交感神経が優位になって眠くなる(73~75ページ)とか、手を温めたりマッサージでこりをほぐして血管を拡張することで眠くなる(81、85~86ページ)、さらにはペットをなでると掌の快感で眠くなる(78~80ページ)って、へ~っと思います。脳細胞間の情報伝達物質を構成するタンパク質は熟睡中に再合成される速度が上がる(165~167ページ)そうで、睡眠は脳を休めるだけでなく、機能の活性化を促進することにもなるようです。そういう情報の断片として興味を感じさせる本でした。

松原英多 KKロングセラーズ 2009年9月1日発行
まるで「ドラえもん」ののび太のようなタイトルは、著者自身、本文でも「5秒間入眠も・・・工夫をこらし、条件さえ満足させれば、誰にだって可能になる」(44~45ページ)と書いていますから、出版社が勝手につけたのではなさそうです。
たぶん、細切れに執筆したものと思われ、同じことの繰り返しが多く、読み物としての流れが悪く、軽い文章の割に読みにくい感じがします。前半では8時間睡眠には根拠はないと短時間熟睡を勧めながら、後半では脳のためには熟睡5時間が必要でそのために睡眠は最低7時間必要と言ってみたり(168ページ)。
そういうところから雑な作りの本だと感じますが、面白いことがけっこう書かれています。眠る態勢にするためには副交感神経が優位の状態にすることが大切だということが強調され、意図的に副交感神経が優位の時の体の状態、例えば瞳孔の収縮、毛細血管の拡張などを作り出すことで眠気が訪れるとしています。眠れないときは暗くするよりむしろ明るい光を見続けることで瞳孔が否応なく収縮し副交感神経が優位になって眠くなる(73~75ページ)とか、手を温めたりマッサージでこりをほぐして血管を拡張することで眠くなる(81、85~86ページ)、さらにはペットをなでると掌の快感で眠くなる(78~80ページ)って、へ~っと思います。脳細胞間の情報伝達物質を構成するタンパク質は熟睡中に再合成される速度が上がる(165~167ページ)そうで、睡眠は脳を休めるだけでなく、機能の活性化を促進することにもなるようです。そういう情報の断片として興味を感じさせる本でした。

松原英多 KKロングセラーズ 2009年9月1日発行