母親タエコが夫タツローを交通事故で失った1週間後に18歳で生んだが早産のためその日に死んでしまった双子の姉妹麻理と杏奈の名前を乗せられて「麻理杏奈絵里」と名付けられた、父親のわからない中2の少女が、母が帰らぬ日々を都電に乗って過ごすうちに知り合った高校生のマリアンナと過ごし、喜怒哀楽をぶつけながら前向きになっていく青春小説。
泣いてばかりいる母親タエコに涙を見せず母親を慰めるマリアンナエリの気丈さ、そんなマリアンナエリがマリアンナに出会って始めてみせる涙、友だちができず疎外されて孤独に街をさすらうマリアンナエリとマリアンナの姿・・・読んでいて切なくなるシーンが続きます。都電を「光の箱」と見るマリアンナエリの心情にもそれは現れています。
出会えた2人の喜びと、思わぬ秘密の発覚と友を傷つけてしまった哀しみに揺れる心、そういったところも含めて切ない思いの方が中心になるけど、でもピュアな気持ちになれる作品だと思いました。

名木田恵子 ポプラ社 2009年10月発行
泣いてばかりいる母親タエコに涙を見せず母親を慰めるマリアンナエリの気丈さ、そんなマリアンナエリがマリアンナに出会って始めてみせる涙、友だちができず疎外されて孤独に街をさすらうマリアンナエリとマリアンナの姿・・・読んでいて切なくなるシーンが続きます。都電を「光の箱」と見るマリアンナエリの心情にもそれは現れています。
出会えた2人の喜びと、思わぬ秘密の発覚と友を傷つけてしまった哀しみに揺れる心、そういったところも含めて切ない思いの方が中心になるけど、でもピュアな気持ちになれる作品だと思いました。

名木田恵子 ポプラ社 2009年10月発行