スコット・トゥローのリーガルサスペンスで、日本では2013年7月30日発行で、最新作(原書では2006年で、2012年9月30日発行の「無罪」より4年前)。
出訴期限(日本の公訴時効のようなもの)が3年の州法の下で3年を過ぎて起訴された準強姦(昏睡強姦)事件について、上訴を担当したメイソン裁判官の悩みと、メイソン裁判官がかつて学生時代に犯した類似の過ち、メイソン裁判官への脅迫事件を絡め、裁判における法解釈とはどうあるべきなのか、裁判官とはどうあるべきか、裁判官は過去の経験に束縛されずに判断ができるかなどをテーマとしています。
はっきり言って、ミステリーとしての部分は、私には凡庸というか、ふつうレベルの読み物に思えますが、裁判における法解釈のあり方とそれを巡る裁判官の悩みについては、貴重な題材・素材を提供してくれています。それで、つい、スコット・トゥローのリーガルサスペンス「出訴期限」を題材に法解釈を考える記事も書いてしまいました(こちら)。そういう方面に興味がないリーガル・サスペンスファンは、こちらは飛ばして、「推定無罪」→「無罪」にアタックされることをお薦めします。

原題:Limitations
スコット・トゥロー 訳:二宮磬
文藝春秋 2013年7月30日発行 (原書は2006年)
出訴期限(日本の公訴時効のようなもの)が3年の州法の下で3年を過ぎて起訴された準強姦(昏睡強姦)事件について、上訴を担当したメイソン裁判官の悩みと、メイソン裁判官がかつて学生時代に犯した類似の過ち、メイソン裁判官への脅迫事件を絡め、裁判における法解釈とはどうあるべきなのか、裁判官とはどうあるべきか、裁判官は過去の経験に束縛されずに判断ができるかなどをテーマとしています。
はっきり言って、ミステリーとしての部分は、私には凡庸というか、ふつうレベルの読み物に思えますが、裁判における法解釈のあり方とそれを巡る裁判官の悩みについては、貴重な題材・素材を提供してくれています。それで、つい、スコット・トゥローのリーガルサスペンス「出訴期限」を題材に法解釈を考える記事も書いてしまいました(こちら)。そういう方面に興味がないリーガル・サスペンスファンは、こちらは飛ばして、「推定無罪」→「無罪」にアタックされることをお薦めします。

原題:Limitations
スコット・トゥロー 訳:二宮磬
文藝春秋 2013年7月30日発行 (原書は2006年)