伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ウォール街の狼が明かすヤバすぎる成功法則

2015-03-07 23:21:15 | 実用書・ビジネス書
 映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のモデルとなったジョーダン・ベルフォートが、自ら「ストレートライン・システム」と名付けたセールスの手法について語った本。
 金持ち相手に電話セールスでジャンク債等を売りつけてのし上がった人物のセールス本ですから、詐欺まがいの手法が書かれているかと思いましたが、電話を掛ける相手は最も裕福な人々「貧しい人に電話する時代は終わった」(82ページ)、「ノー」と言われたらさっさとあきらめて次に行く(123ページ)など、見込みのある客にだけ力を注ぐむしろ効率重視の手法に思えます。
 面談の場合は「4分の1秒」、電話では「4秒」で、①頭が切れる奴だと思わせる、②どうしようもないほど熱心だと思わせる、③エキスパート、専門家であると感じさせることが重要だ(82~84ページ)、そのためには、自信を漂わせ、それらしく振る舞うこと、トナリティ(声の調子)とボディ・ランゲージで相手のことを気に掛けていること、相手と共通点があることを示せ、迷いを示さず、感情に訴えろというようなことがポイントになっています。まぁ、セールス全般の極意とはいえますが、理性的な納得よりも心理的に追い込んで買わせるという手法で、やっぱり詐欺商法の方に馴染みそうな感じもします。
 映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」で、マシュー・マコノヒー扮するハンスが、株が上がるか下がるかは誰にも、もちろんブローカーにも、わからない。大事なことは2つ、リラックスすること、数字ばかり扱っていると頭がちかちかする、1日2回以上マスをかけ、やりたくなくてもするんだ、それからドラッグだというようなことを教えるシーンがあり、驚きましたが、ジョーダンがこの本でも自分のメンター(師)はマーク・ハンナだとして、入社初日に「客から金を引き出すことだけを考えろ。そのために株を売りつける2つのポイントがある。1つ目はマスをかくこと。2つ目はコカイン。これさえやれば頭のキレが良くなる」と語りかけられたことを紹介しています(39ページ)。あのシーン、受け狙いの創作じゃなかったんだ。
 ところでこの本、原書の表示がどこにもありませんが、アメリカで出版されていないのでしょうか。


ジョーダン・ベルフォート 監訳:クリス岡崎
フォレスト出版 2015年2月18日発行
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