鋭い観察力と建築物の来歴への執念深い調査に基づいて依頼者自身も気づいていない本当のニーズを発掘して住み手の悩みを解決する建築士音無薫子のシリーズ第2弾。
前作が、特に後半は、音無建築事務所とインターン今西対建築アトリエフルールとエリート学生井藤、今西の元カノ喜多村伶の対立を軸に進めたのを、4作中3作では封印気味に、妻に去られた夫、犬と暮らす子どものない老夫婦、類似の店舗の開業を希望する隣り合った2軒の主婦といった依頼者の格別の事情で展開していますが、最後の第4話(Note04)でフルールの危機→フルールの誕生秘話を語っています。
最後にライバルの秘密と過去を書いてしまい、もうフルールとの対立という材料は使えなくなったことからすると、シリーズは終了ということでしょうか。そっちの方は、ある意味ありがちな落としどころで、今ひとつでしたが、建築物に現れる依頼者も気づいていない本当のニーズという着眼はよく、そちらで続けてもらいたい気がします。
逢上央士 宝島社文庫 2017年2月21日発行
前作が、特に後半は、音無建築事務所とインターン今西対建築アトリエフルールとエリート学生井藤、今西の元カノ喜多村伶の対立を軸に進めたのを、4作中3作では封印気味に、妻に去られた夫、犬と暮らす子どものない老夫婦、類似の店舗の開業を希望する隣り合った2軒の主婦といった依頼者の格別の事情で展開していますが、最後の第4話(Note04)でフルールの危機→フルールの誕生秘話を語っています。
最後にライバルの秘密と過去を書いてしまい、もうフルールとの対立という材料は使えなくなったことからすると、シリーズは終了ということでしょうか。そっちの方は、ある意味ありがちな落としどころで、今ひとつでしたが、建築物に現れる依頼者も気づいていない本当のニーズという着眼はよく、そちらで続けてもらいたい気がします。
逢上央士 宝島社文庫 2017年2月21日発行