主人公の「俺」がある日目が覚めると若い女の体に乗り移っていた、という今どきでは「君の名は。」パターンで始まり(やっぱり女に乗り移った男は鏡を見ながらおっぱいを揉んでしまう (^^ゞ)、その後眠りに落ちる/意識がなくなる度に別人に乗り移り別の日に目覚め続けるという設定で、それが殺人事件を機会に自分に課せられた事件を未然に防ぐためのミッションだと気がついた主人公が試行錯誤していくというSFサスペンス小説。
荒唐無稽な設定で、もちろんなぜ他人の体に乗り移ることができる/いつの間にか乗り移ってしまうのかの科学的な説明は皆無ですし、入り口がいかにも「君の名は。」のパクりの印象で、その後しばらく連日の不条理な乗り移りの描写が続き飽きる感じがします。そこを乗り越えられるかが、第一関門というところでしょう。
毎日別人に乗り移り続ける中で、自分は本当は何者かを悩み、そもそも自分とは何か、アイデンティティとは何かを相対化して考え、さらには別人の目で対人関係を世間を見ること、ついには別人の目から自分を見ることで、自我や対人意識、対社会の意識を見つめ直し、寛容と柔軟性を獲得していくところが読みどころだと思います。
水沢秋生 光文社 2017年7月20日発行
荒唐無稽な設定で、もちろんなぜ他人の体に乗り移ることができる/いつの間にか乗り移ってしまうのかの科学的な説明は皆無ですし、入り口がいかにも「君の名は。」のパクりの印象で、その後しばらく連日の不条理な乗り移りの描写が続き飽きる感じがします。そこを乗り越えられるかが、第一関門というところでしょう。
毎日別人に乗り移り続ける中で、自分は本当は何者かを悩み、そもそも自分とは何か、アイデンティティとは何かを相対化して考え、さらには別人の目で対人関係を世間を見ること、ついには別人の目から自分を見ることで、自我や対人意識、対社会の意識を見つめ直し、寛容と柔軟性を獲得していくところが読みどころだと思います。
水沢秋生 光文社 2017年7月20日発行