警視庁を定年退職し、再雇用先の東京都交通安全協会も退職して、趣味もなく暇を持て余した元刑事の「私」が、妻に勧められて都内のバス乗り放題の東京都シルバーパスを購入して手当たり次第気の向くままにバスに乗り続けることにし、それが趣味になって日帰りのバス小旅行を繰り返すうちいくつかの謎に行き当たり、それを妻に話すと妻が推理して謎を解くというミステリー。
元刑事が解けない謎を妻が推理して見せ、その推理を元刑事が語って知人からはその元刑事が謎解きの天才に見えるという、コナンと眠りの小五郎みたいな掛け合わせに、東京の街の情景や歴史のうんちくをちりばめ、そこで読ませる小説です。謎にするネタは軽く浮かれたものから重い事件がらみまで多岐にわたります。前半は軽めのタッチで、それで貫くかと思ったら後半は重いものも混じり、やっぱりミステリーはネタ探しに苦しむよねと、そっちで共感してしまいました。私も、ミステリーを書いてみようと思って、謎にするネタ、トリックの考案で苦しみましたし。
西村健 実業之日本社文庫 2020年4月15日発行(単行本は2017年2月)
元刑事が解けない謎を妻が推理して見せ、その推理を元刑事が語って知人からはその元刑事が謎解きの天才に見えるという、コナンと眠りの小五郎みたいな掛け合わせに、東京の街の情景や歴史のうんちくをちりばめ、そこで読ませる小説です。謎にするネタは軽く浮かれたものから重い事件がらみまで多岐にわたります。前半は軽めのタッチで、それで貫くかと思ったら後半は重いものも混じり、やっぱりミステリーはネタ探しに苦しむよねと、そっちで共感してしまいました。私も、ミステリーを書いてみようと思って、謎にするネタ、トリックの考案で苦しみましたし。
西村健 実業之日本社文庫 2020年4月15日発行(単行本は2017年2月)