大企業に派遣されて1年半になり昇進を打診されていた派遣社員の土留紗央がパーティーのただ酒で飲み過ぎて社員証を落とし、かつてキャバクラの常連客からレイプされて学生証を落としたことがあるコンビニの店員柏木良子がそれを拾い、柏木が勤めるコンビニでのバイトと居酒屋のバイトを掛け持ちするベトナム人留学生グエン・チー・リエンが居酒屋のバイト仲間拓真に惹かれ、柏木はもう1つのバイト先の宝くじ売り場で出会った笹に惹かれ…というような群像劇的なエピソードに、地球人のデータを取り込んで地球人と見分けが付かぬ外見となれる「惑星難民X」をめぐる時事問題を絡めた小説。
惑星難民Xを絡めることで一種のSFとなる小説なのですが、隣人は実は宇宙人という、ある種手垢の付いたネタを中途半端に展開しているのが、特に前半はいかにも浮いた感じで、むしろ宇宙人話を抜きでふつうに小説として展開した方がいいんじゃないかと思いました。
後半、惑星難民Xに比重を置いて話を進め、SF的に落としていますが、結果的に、惑星難民で話を付けるならそこに行くだろうねという感じで、読者の期待に応えているのかも知れませんが、なんだかなぁと思いました。
パリュスあや子 講談社 200年8月24日発行
惑星難民Xを絡めることで一種のSFとなる小説なのですが、隣人は実は宇宙人という、ある種手垢の付いたネタを中途半端に展開しているのが、特に前半はいかにも浮いた感じで、むしろ宇宙人話を抜きでふつうに小説として展開した方がいいんじゃないかと思いました。
後半、惑星難民Xに比重を置いて話を進め、SF的に落としていますが、結果的に、惑星難民で話を付けるならそこに行くだろうねという感じで、読者の期待に応えているのかも知れませんが、なんだかなぁと思いました。
パリュスあや子 講談社 200年8月24日発行