伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

サラリーマンかフリーランスか 「どちらが得だった?」

2020-10-08 22:10:30 | 実用書・ビジネス書
 サラリーマンで給料が上がらず副業でもしたいと思っている野口くんが、大学の先輩でコンサルティング会社社長の渋沢さんに聞く形で、サラリーマンとフリーランスの違い等について説明する本。
 収入が安定せず経費(従業員の給料や事務所の家賃等)負担の重圧に苦しみ、税制上の優遇はほとんどなくて個人事業税とかもとられ社会保険(特に年金)の保障はとても薄くて老後の安心も得られない零細個人自営業者(フリーランス)の立場からは、給与所得控除なんていう払ってもいない経費控除を認めてくれたり保険料半額会社負担で厚生年金の保障を受けられる給与所得者が羨ましい限りですが、給与所得者には、自営業者は大儲けした上に私用分も必要経費と称して賄い脱税のし放題と思われているらしい。この個人自営業者と給与所得者の溝は永遠に乗り越えられないのかなと常々感じていますが、こういうテーマで民民で対立感情を持ち続けること自体、国民を分断統治したい税務署・国の思うつぼかとも思います。
 儲けを出さずに商品を安くしろという客に対して、お客さんに商品やサービスを売るときに、「値段はいくらで、原価はいくらで、儲けはいくらです。儲けといっても悪く思わないでくださいよ。家賃や人件費、それに私の生活費、収入の不安定さや将来の危機に備えるためにもらっているものですので、ご理解ください」といっても、理解できるお客さんは少ないだろうねという渋沢さんの諦め(156ページ)は、よく理解できます。商品やサービスの提供を続けるために儲けていいんだという渋沢さんの言葉(153~157ページ)も、絶対に理解してくれない給与所得者やお客さんに説明しようとして疲弊するよりも開き直れというアドバイスと受け止めたいです。


山田寛英 中央経済社 2020年9月15日発行
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