伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ダチョウはアホだが役に立つ

2021-12-27 21:37:00 | 自然科学・工学系
 日本で500羽、アリゾナで3000羽のダチョウを飼っているという著者が、ダチョウの生態と、ダチョウから作った数多の製品を紹介する本。
 「ダチョウはアホだが」というタイトルに関連するのは、家族(コロニー)のメンバーを識別していない(入れ替わっても気がつかない)、人が乗っても気にしない、毛繕いをしない(汚れても気にしない)などです。アホというのではなく、鷹揚・寛容と評価してあげてもよさそうな気もしますが。
 ダチョウの特性は、鈍感なこととケガをしても死なない/すぐ治る免疫力の強さだとかで、ものすごいスピードで抗体を作り、それが巨大な卵に移行するそうです。そうすると、ウィルス等への抗体製造が迅速かつ安価でできるということで、それが「役に立つ」となって、著者は抗体入りマスク、抗体スプレー、抗体入りグミ、抗体入りだし醤油、抗体入り化粧品、薄毛抗体配合シャンプー、抗体入り飴ちゃん、抗体入りサプリなどさまざまな製品を商品化済みだそうです。
 軽いタッチで難しくなく書かれていますが、学習や教養よりも、著者の商売・商品紹介の色彩が強いのが難点です。
 高卒で工員となったが、一念発起して大学に行って獣医となり、ダチョウの卵による抗体の大量生産を売りにしてたくさんの企業を立ち上げて商売に励みながら、今は京都府立大学の学長という著者の人生・経歴の方が、やり直し人生物語めいて読みでがあるかも知れません。


塚本康浩 幻冬舎 2021年3月25日発行
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