伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち2 虚ろな街 上下

2023-11-02 21:03:07 | 物語・ファンタジー・SF
 「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」の続編。「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」終盤でミス・ペレグリンが守っていた孤児院を破壊され追われたジェイコブとピキューリア(奇妙なこどもたち)が第2次世界大戦中のイギリスを敵襲を受け/避けながら放浪しロンドンへと向かうという展開を見せます。
 冒険ものではあるのですが、積極的な冒険、明るい冒険ではなく、困難の多い暗い旅が続きます。
 この作品の一番の特徴は、物語の展開に合わせた写真が多数挿入されているところにあります。この2巻では、冒頭に主要登場人物が作品本体では明らかにされていないフルネームで写真付きで紹介されていて(写真はいずれも1巻にあったものですが)ファンタジーとしては異例に登場人物の容貌が特定されています(これはいいようにも、本文で想起するイメージとのズレを感じてよくないようにも、思えます)。
 しかし…下巻第12章で登場するインブリン評議会の会議室について「室内のほとんどを占める巨大な楕円形の木のテーブルは、鏡のようにぴかぴかに磨き込まれている」(223~224ページ)と書かれているのに、225ページの写真には小さな四角い木のテーブルが写っています。この写真は失敗ですね(あるいは本文を写真に合わせるべきだったか)。仕事がら近年は楕円形の「ラウンドテーブル」の置かれた部屋(ラウンドテーブル法廷)を見慣れた身には、ラウンドテーブルくらい用意しろよと言いたくなります。


原題:HOLLOW CITY : THE SECOND NOVEL OF MISS PEREGRINE'S PECULIAR CHILDREN
ランサム・リグズ 訳:金原瑞人、大谷真弓
潮文庫 2017年8月5日発行(原書は2014年)


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