寂しがり屋で人見知りする働けない、でも家事も巧くない大学休学中の女子大生築と、家出した築が転んだところに手を差しのべたことから同棲する流れになった美容師の祐亮のカップルに適当に人を絡ませた短編連作集。
特に取り柄もなく性格もよくないダメな女が自己嫌悪に陥ると優しい男が無理しなくていいよって言って包容してくれるというパターンがずっと続きます。まぁこういうのを読んで癒される需要があるからこういう話があるのでしょうし、そういう話があっていいんですが、なんか最近そういうの多すぎません?それで自分も生きていけるって勇気づけられるのならいいですが、今の私でいいのって向上心持たなくていいよって方向に進みそうで、いいのかなぁって思います。むかしあった「小さな恋の物語」のより高年齢向けって感じがしました。
でもさすがに「an・an」連載でそれじゃまずいかって思ったのか、最終話で突然、祐亮が僕が無理しなくていいよって言い過ぎて築をダメにしたかもしれないなんて自立志向が出てきます。最後だけ浮いてる感じもするけど、最後にようやく成長の兆しが見えてホッとします。
東直子 マガジンハウス 2008年3月21日発行
特に取り柄もなく性格もよくないダメな女が自己嫌悪に陥ると優しい男が無理しなくていいよって言って包容してくれるというパターンがずっと続きます。まぁこういうのを読んで癒される需要があるからこういう話があるのでしょうし、そういう話があっていいんですが、なんか最近そういうの多すぎません?それで自分も生きていけるって勇気づけられるのならいいですが、今の私でいいのって向上心持たなくていいよって方向に進みそうで、いいのかなぁって思います。むかしあった「小さな恋の物語」のより高年齢向けって感じがしました。
でもさすがに「an・an」連載でそれじゃまずいかって思ったのか、最終話で突然、祐亮が僕が無理しなくていいよって言い過ぎて築をダメにしたかもしれないなんて自立志向が出てきます。最後だけ浮いてる感じもするけど、最後にようやく成長の兆しが見えてホッとします。
東直子 マガジンハウス 2008年3月21日発行