Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

忘年会が重なる

2022年12月11日 22時43分19秒 | 日記風&ささやかな思索・批評

 本日の夕方は冷たい風が強く、帰宅時にバスを降りてその寒さに驚いた。横浜駅でバスを待つ間はビルに風が遮られていたと思われる。少し薄着で家を出たのが悔やまれた。
 日曜日ということで、地下街は混雑。頼まれた買い物を急いで行い、その後、退職者会のイベントの集合写真の現像の追加を行い、バスで帰宅。

 明日は友人と二人の忘年会、正午に待ち合わせ。夜にも忘年会に誘われたが、短時間の顔出しだけでお暇する予定。明後日も夕方軽く外呑みの予定である。二日間で3回の外呑みは財布にも体にも優しくない。メインは明日の正午である。

 明日の昼からの呑み会のために、本日は早めの入浴と就寝。布団は昼間、布団乾燥機で布団を温めてくれた。陽射しが短く限られているので、布団を干せないでいる。

 


本日から「江戸絵画 八つの謎」

2022年12月11日 19時53分53秒 | 読書

   

 本日から読み始めた本は「江戸絵画 八つの謎」(狩野博幸、ちくま文庫)。12月10日に発売された新刊。解説に辻惟雄氏の名があり、即座に購入した。
 岩佐又兵衛、英一蝶、伊藤若冲、曽我蕭白、長澤芦雪、岸駒、葛飾北斎、東洲斎写楽を論じている。任意に頁を開いて読みやすい文章であったのでそのままレジへ。神奈川大学の生協を通さずに定価で購入。
 「岸駒(がんく)」という名は初めて眼にした。この章も楽しみである。

 実は始めの「岩佐又兵衛 心的外傷の克服」は面白く読んだ。ただ、冒頭から2頁目のところで引っかかった。

人の心理は複雑きわまる。あたかも野菜の値段を決めるように人間の心理を裁断する人間心理研究を筆者はいっさい信用しない。《心的外傷後ストレス》そのものが芸術創造のエネルギーたり得ることを、岩佐又兵衛という画家を例証とすることで語ってみたいと思う。

 「《心的外傷後ストレス》そのものが芸術創造のエネルギーたり得ること」と、「人間心理研究をいっさい信用しない」こととは別のことである。ちょっと乱暴な論理にびっくりした。「信用しない」のはいいが、それが全否定につながってしまっては《心的外傷後ストレス》という概念を持ち込むこと自体が無意味になってしまう。
 しかし作者の指摘のとおり、岩佐又兵衛の父であり、織田信長に反旗を翻した「謀反人」荒木村重の生涯をたどりながら、その父の生涯が岩佐又兵衛の作品に色濃く反映されていることの指摘は私は否定できないと思っている。
 


読了「菊帝悲歌 小説後鳥羽院」

2022年12月11日 15時14分53秒 | 読書

   

 第6章「なみだとふらむ 嘉禄元年1225」と跋「五黄の菊」を読み、全体を読み終わった。

事畢りぬ、などとは思はぬ。この凄じい別邸で今からし残した何事かを完了せねばならぬ。そして歌も亦、初心に還つて歌ひ直すのだ。あの栄華の日日に、まことは和歌など要りはしなかつた。詩歌を擲つたとてその日その日は光輝いてゐた。‥今日、雅歌にも神祇歌にもまして、院は花鳥風月を欲る。和歌なくしてはながらへる便りもない空虚な日月が、瞑つた瞼の裏に茫茫と展がるのが見える。‥帝王として、かくまでも無一物になり、和歌と一体になるまでおのれを空しうし、そこに初めて生まれる絶対絶命の悲歌を詠んで見せよう。」(第6章)

王侯貴族の独占し続けて来た芸術と政治の、その有終の美を、惜しげもなく断崖から深淵に突き落とした天才かつ英雄として、世界に冠たる一人であつた。‥これ以降(嘉禄元年1225、第6章)以後崩御に及ぶまでの歳月は、また、いつの日か稿を改めて別の物語にしたい。」(跋) 

 久しぶりに塚本文学を堪能させてもらった。