阪本が仁義なき戦いを撮るときは敢えてイタリア家族史のような二人に絞ったのだろう。そのためファーストシーンの衝撃がラストまでこの作品を持ちこたえることとなる。本編はラストまでの過程と化し、しかしそれは仁義なき戦いではない。
理不尽な閉め方も良しとする。
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男なのに女として生きることを試みた人たちの「なれの果て」はいかに、というテーマが、人間の老い、家族、独りであるということなど人間の根本的な問題にまで問い詰めていく過程は、しかしさりげなく明るいタッチで描かれるのでうまいなあとうなってしまう。
結局母親と同じくゲイの男性を愛してしまった女性は欲望だけをほかの男性で処理したわけだが、ここが現代的な解釈なんだろうなあ。
オダギリジョーはオンナオンナして . . . 本文を読む
何か全体にうごめくパワーのようなものは感じるがそれは未熟であるような気がしてならない。まず。映像が荒く美しさを感じないこと。主人公の歌が僕には心惹かれるものではないこと。全体に急ぎすぎな演出振りなど荒削りの感じがして仕方がない。
ラストの声をなくしてもかなりの人々の前で街で歌う主人公はちとやりすぎではないのか。
僕だったら、声をなくしても歌う主人公を無視して通り過ぎる人々を描くかもしれない。
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