黒澤の「羅生門」と比較するのはどうかと思われるが、かなり意識して作ったのは事実だろう、当時の映画としては、映画のための映画づくりのような作風を感じる。
長谷川一夫の行動はまあそれほど意味を考えなくてもいいと思いますが、やはり 京マチ子の犠牲的精神性は日本映画には今までなかったものでしょう。キリスト的な受難劇に近いです。そのため西洋の人々にはこの映画を評価でき得る素地があったのでしょう。セットの素晴 . . . 本文を読む
戦国時代の悲劇時代ものとしておなじみの千姫様のお話であります。秀頼と寄り添いながら無理やり炎の大阪城から脱出する有名なシーン、またその後のご乱交など読み物話としての芯は抑えている。
まあ、あでやかな京マチ子を見ているだけでいい映画なのかもしれないが、当時の映画風俗としての大衆の好みが感じられる映画でもあります。
50年たった現代においてはさすが見るべきところもあまりないが、当時の時代性を十分感じる . . . 本文を読む